Magnificent View #978
トビリシ(ジョージア)

(C)Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 南コーカサスに位置するジョージア。6世紀から現在にいたるまで、この国の首都であり続けているのが、トビリシだ。

 ジョージアの人口の約4分の1が暮らしている都会だが、高層ビルもほとんどなく、風情ある欧風建築が並んでいる。

 ご覧の風景は、4~5世紀頃に築かれたナリカラ要塞跡と旧市街。18世紀以前の建物が残る街並みは、歴史保存地区にもなっている。

 要塞は19世紀初頭に火薬庫が爆発し、建物の大部分が失われたものの、その後、敷地内に教会が建てられ、今も多くの人が集う。

 トビリシとは、現地の言葉で「温かい」を意味する「トビリ」に由来するといわれている。

 その昔、現在のジョージア東部にあったイベリア王国の王、ワフタング・ゴルガサリがここでキジ狩りをしていたとき、飛ばしていた鷹がキジを追っていなくなってしまった。従者たちが探し回ると、鷹もキジも温泉に落ちていたが、王はこの温泉をいたく気に入り、この地に街を建設するように命じたという伝説も残る。

 実際、街にはアバノトゥバニと呼ばれる浴場がいたるところにあり、気軽に温泉を楽しむことができる。

Column

今日の絶景

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2016.06.04(土)
文=芹澤和美