エクセルで家族のスケジュールを管理

 林さんは、毎日目が回るほどの忙しさではあるものの、社内制度をうまく使い、時にはシッターさんに助けてもらいながらメリハリのある働き方を選択している。決めていることは、以下の3つ。

◆東京出張など、朝が早く帰宅も遅くなりそうなときは「パパの日」。朝ごはんから子どものお弁当作り、送り迎えまですべてパパが行う。

 

◆どうしても夫婦ともに遅くなるときは、シッターさんに依頼する。

 

◆1週間ほどの出張であれば、福井在住の父方の祖父母にSOS。

 さらに、週に一度は「パパの日」にして、めいっぱい仕事をする一方、週に一度は林さんが在宅で働く日を作る、あるいはフレックスワークアワー制度を使い、帰宅が遅くなった日の翌日は早く帰るなど、なるべく子どもと接する時間を大切にする。

 夫婦間で必要なことは、スケジュール調整と、家事はできる方がやるという自覚を常にお互いが持つことだ。

 スケジュール管理に役立っているのは「エクセル」。

 「まさにこれがないと、立ち行きません」と林さん。管理は夫。iPhoneでも見やすく、仕事でも慣れているためエクセルを使っている。

エクセルのスケジュール表。「全員で行く」ものには「全」マーク。

 出張、会議で遅くなる日、習い事、飲み会、すべてを夫婦で共有し、エクセルに入力。入力していないとシッターさんへの連絡もできない。「多い時には1日に3回もエクセルのやり取りをすることもあるんですよ」。

 夫は協力的。とはいえ、最初からそうだったわけではなく、子どもが3人になって「協力せざるを得ない」状況になったというのが実際のところ。

 林さんは丁寧に洗濯物を干すけれど、夫は少し雑だがスピーディーに干す。などなど、家事のやりかたもお互い違うが、相手のやりかたにお互い口は出さない。

子どもの習い事を家族でエンジョイ!

休日は習い事やお出かけなど、家族全員で一緒に行動して楽しむ。

 子どもと接する時間の少なさは、密度の濃さで補いたいと林さんは考えている。子どもといる時間は、何かをしながら相手をするのではなく、しっかりと向き合いたい。家事をする必要があるときは一緒にする。そして、できるだけ笑顔で話を聞いてあげ、楽しいことを話して、子どもの笑顔を引き出したい。

 「今にして思えば、私の母はいつも笑顔で、いつも一生懸命でした。わたしも母のように子どもに接していたいと思っています」。

 日曜は子どもの習い事に家族全員で付き添う。それを見て楽しむのが林さん一家流の休日の過ごしかた。

 今は長男と長女がテニスを習っているが、春からは長男はアメフトを習う予定だ。長女は、タカラジェンヌを夢見てバレエも習っている。「子どもの活動そのものを、一家で楽しんじゃっている感じです」と笑う。

 3年前に、林さんのお母さんは他界してしまった。けれどもその笑顔は今でも林さんの心に刻み込まれている。「ママが笑顔でいれば、子どもも笑顔になれる」と信じられるのは、お母さんのおかげだ。

 取材中も林さんは終始笑顔を絶やさず、コロコロとよく笑い声もあげた。すっかりこちらが気持ちよくなるほどに、それは心地よい時間となった。

 会社でも家庭でも太陽のように明るい笑顔。これが、林さんのパワーの秘密なのだと気づかされた。

Column

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2016.03.17(木)
文・撮影=HITOMINA