きゅうりを添えた名物の「鮎そば」にスイカのカクテル。夏の風物詩を体感する至福のひととき。 毎朝県内各地の生産者から届く食材。この日は、「鬼もろこし」「中島巾着ナス」「かぐら南蛮」などの新潟の野菜や夏キノコなど。 「里山十帖」の料理長として、ここでしかつくれない独自の料理を発信し、今や世界から注目を浴びる桑木野シェフ。 古民家をリノベーションした宿「里山十帖」のダイニングには、世界に名だたるデザイナーの椅子やテーブルが。 津南町産の朝採れ「鬼もろこし」を焼いてゆっくり搾った、その名も「トウモロコシ」。中には潰したカボチャのお団子も。 「鬼もろこし」の冷たいスープ上に咲いている可憐な小花は庭で採れたフェンネルの花。 揚げ浸しにした「本当の梨ナス」、フレッシュな桃、自家製リコッタチーズの上から乳酸発酵させた冷たいスープをひと回し。仕上げにイチジクの葉のオイルと摘み立てのバジルを飾った「本当の梨ナス」。 ニラの花とかぐら南蛮をあしらった「中島巾着ナス」。ほんのり青柚子が香る繊細な野菜だけのひと皿を、邪魔せず引き立てるのはドメーヌ ショオの「グレグレグレープ」。 新鮮な鮎を骨ごと焼いて米粉の麺と合わせた「鮎そば」。夏はこれを目当てに訪れるゲストも多いとか。たっぷり盛られたきゅうりと青じそが爽やかさをプラス。 「鮎そば」には、六日町「ROKUMOJI」のクラフトジンと糖度の高い八色産スイカを用いた「スイカのカクテル」をペアリング。 「コチ」。佐渡の根もずくと合わせ、トウモロコシの出汁をかけて仕上げたマゴチの炭火焼き。組み合わせたのは、新潟市の村祐酒造「村祐 夏美燗」。 お盆シーズンを連想させる「泥と蓮」。地元、南魚沼市の青木酒造の純米無濾過「鶴齢 雪譜 特別純米 五百万石55」をペアリング。無濾過ながら軽く、飲み口のよさとキレを楽しめます。 蓮の葉を広げると、ふわっとなんともいい香り。ベースの味付けはしょうゆおこわで、蓮根、蓮の実、夏キノコと具沢山。ノンアルドリンクのときは蓮の花の茶を出しているそう。 十日町市の天然どじょうは、地酒「鶴齢」で酔わせてからカラッと素揚げに。酒を飲ませることで臭み抜きにも。 「夏野菜」は、ベリーのような赤系果実の優しい香りと味わいをもつフェルミエの「2023 夕陽 新潟カベルネ・メルロー」とともに。 「夏野菜」に添えられていたナスタチウムもハーブ畑から摘んできたもの。 締めのデザート「雪国マンゴー」。桑の葉のクッキーとかぐら南蛮の琥珀糖を添えて。 昨年、キノコの師匠と呼べるような人と出会うことができ、ますますキノコ知識も深めているという桑木野シェフ。