ひぐらしの声が響くなか、演じられた能「葵上」。 佐渡本間家第18代当主、本間英孝先生7回忌追善能では、花月と葵上の能二番のほか、仕舞、舞囃子が演じられました。 能舞台では、下手の奥や渡り廊下のような橋掛りも、舞台の一部。 新潟国体が開催された昭和39年、昭和天皇が佐渡を行幸した折に、こちらの能舞台で演目「鶴亀」をご覧になられたという記録も。 明治18年創建、138年のときを刻む本間家能舞台。入場は無料。 本間家能舞台は、加茂湖のほとり、吾潟(あがた)という地域にあります。 本舞台正面の鏡板と呼ばれる羽目板には、立派な松と山々が。 新潟市内でも能楽の指導を行っているという神主さん。 能の演目の多くは、「平家物語」「今昔物語」「源氏物語」など、古典を題材とし、現実と夢が交差してストーリーが展開されていきます。 生きている人間だけでなく、鬼や神、妖怪、亡霊、精霊といった“この世のものではないもの”も登場する能舞台。 姿勢と歩き方が、身体表現の基本である能楽。「ハコビ」という滑るように進むすり足にも注目。 佐渡の能の発祥地とされている春日神社。春日神社薪能では、薪能のほか、佐渡の郷土芸能も披露。©佐渡観光交流機構 神主弌二(こうずいちじ)さん。佐渡市生まれ。本間家の一門。佐渡の能舞台に立つほか、稽古をつけたり、市内の中学校で能楽を教えたりなど、佐渡の能文化を支えている重鎮。