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神秘的な景色がそこかしこに!

 日本列島のちょうど真ん中あたり、日本海に浮かぶH字のような形をした島、佐渡島(さどがしま)。世界文化遺産の登録をめざす佐渡金山を有する、面積約855平方キロメートル、海岸線約280キロの日本海側最大の離島です。

 「金が出た」ことや、特別天然記念物「トキ」の国内唯一の生息地、さらに鬼が舞う行事が定期開催されるなど、どこかヴェールにつつまれたミステリアスな側面もありますが、美しい海景や田園風景が広がる、のどかな島でもあります。

 今回は、話題の場所「佐渡金山」にも足を運びつつ、佐渡島を1泊2日でめぐるプランを前篇と後篇の2回にわけて、ご紹介します。

 佐渡島へは、新潟県の直江津港、もしくは新潟港から、佐渡汽船が運航している船で渡ることができます。今回は、新潟港からカーフェリーで佐渡島の両津港へ。約2時間半の船旅です。

 こちらの「ときわ丸」は、6階建ての大型フェリーで、中には、売店やスナックコーナー、ゲームルーム、キッズルームなどがあり、デッキに出て海風や景色を楽しむこともできます。

 両津港に到着したら、車で約50分、北沢地区にある北沢浮遊選鉱場へ。佐渡金山で採掘された鉱石から不用な鉱物を取り除く「選鉱」という処理をするための施設で、1930年代後半、1カ月で5万トン以上の鉱石を処理したことから、「東洋一の選鉱場」と謳われた場所です。

 1952年に選鉱場は使用されなくなり、今では屋根のなくなった無機質な建物を美しい蔦が包み込んで、まるで『天空の城ラピュタ』の世界! 目をこらすと、ロボット兵が小さな花を持って歩いている姿が見えるようです。

 ランチは、その唯一無二の絶景を観賞しながら食事できるカフェ「北沢Terrace」へ。

2022.11.22(火)
文=CREA編集部
撮影=佐藤 亘