東京でも有名なランドスケープをベタに写した一枚、なのだが… カメラを直付けしてパシャリ。よく目を凝らしてみると“ニセモノ”だとわかる 箱根ターンパイクの休憩所、「アネスト岩田 スカイラウンジ」のスケールモデル 複雑な構造がマニア心をくすぐる箱崎ジャンクションを忠実にジオラマ化 御茶ノ水駅と複々線の線路。町を支える巨大な擁壁が見どころ 生まれて初めて作ったジオラマは、JR関西本線が走る地元の田園風景だったという その精巧さが絶大な支持を受けている(?)という、オリジナルの室外機 元はソーラーカーの部品加工用だったというレーザーカッター。ジオラマ作りの主役に躍り出た 意外とコンパクトな3Dプリンタ。大きなものを作るのには向かないが、スケールモデルの部品作りは大得意だ 看板や標識のクオリティは手を抜けないところだが、それにしても精巧すぎるクオリティ WindowsパソコンとCADソフトを使い、まずは設計図を作成する。これを元に部品を作り、ジオラマを組み立てていく(こちらは浜松町の設計図) 電球も点灯する、丸ノ内線御茶ノ水駅のスケールモデル。精巧なジオラマならでは「美麗」と日常の光景ゆえの「地味」が同居する不思議さがある 相当近寄ってみないと、厚紙でできているとはわからない 生活感の強い小物の数々。このサイズであらためて確認すると、子どもの頃は、大人の自転車やポリバケツが大きく見えたものだったことを思い出す Twitterでバズったという、信号機と横断歩道のジオラマ。持っていれば巨人の気分!?(写真は 1/1 MAJIRI氏本人) 一見すると本物の渋谷駅前のようだが、よく見ると… 店の名前が少しずつ違う! 地下鉄駅や信号機も忠実に再現 人形もすべて手作りで、塗装には特に苦労したという 喫煙者にはおなじみの場所を上空からパシャリ。灰皿がリアルだ 「DJポリス」でおなじみの車両の姿も… 車両は既製品のミニカーを配置している 派手な色の服を着た男は大道芸人だろうか 交番の地図までリアルに再現する手の込みようだ センター街を行き交う若者たち 山手線のガード。接写してようやく印刷の継ぎ目がわかる 背景は印刷でできており、箱庭感がものすごい 渋谷ジオラマを上空から。ドローンの普及以降はテレビでもよく見る構図だ ビルの屋上に佇む人も…。芸が細かい! 日本の過密を象徴するかのような渋谷スクランブル交差点も忠実に再現 少しずつ離れてみると… まさに「渋谷」の光景 続いては神奈川県にある、「アネスト岩田 スカイラウンジ」の再現ジオラマ 芝生は伝統的なジオラマの製法で作られている 階段の踏面や蹴上が均一で美しい。すべて手作りだ パソコンで製作した「スカイラウンジ」設計図のスクリーンショット 設計図通りに仕上げるのも一種の職人ワザだろう テンプレートに基づく塗装で仕上げた路上の文字。リアルで美しい 近づいてもこの通り 道路標識など、文字にこだわるのがCityscape Studio流 展望台の双眼鏡はなんと、コイン投入口まで再現されている LED式の標識も印刷で再現。ここでは写真に撮った際のカスレを表現している 三角コーンは3Dプリンタで出力しているという 街路灯も3Dプリンタの得意分野だとMAJIRI氏は話す 「スカイラウンジ」といえば、マンガでも知られる箱根の名所 近づいても植物の様子までリアル 自動販売機も印刷で再現。明かりまで伝わってくるようだ こちらは首都高速でも随一の名所として知られる「箱崎ジャンクション」 通行人の様子まで完全再現 経年を感じさせる古い交番 ボルトの一本一本まで作り込まれている 首都高の影を受けるため、下道はいつも暗い。東京のビジネスパーソンにはおなじみの光景である ジャンクションの複雑な構造を巧みに模型化 ドローン撮影のような「空撮」アングルでみる箱崎ジャンクション 所変わって浜松町へ。高速道路、下道、鉄道、そして水運が交差する独特の景観 先ほど紹介した箱崎へは次で左折する。ジオラマ同士のつながりが面白い 道路に描かれる文字も実物さながら 余談だが、高速道路の標識の文字は約10年前に変更された レトロな小舟が下を抜けていく ここにも交番が。見逃せない都会の風景 ガードレールと鉄柵の塗装の違いにもこだわったという 川を行く小舟を背後から。これもまた東京の交通体系の一部なのだ 配管の接着部など、細かいパーツの製作には3Dプリンタが活躍 “脇役”にすぎないはずの階段や、看板の裏側さえこのクオリティ 看板も都市景観の重要なファクターである 界隈では大人気(?)の、Cityscape Studio製室外機。あらゆるところに登場 浜松町といえば山手線と京浜東北線。最新型のE235系が走る風景 山手線の最新型電車、E235系が走る風景。いつか懐かしく感じる日が来るのだろうか… オリンピック期間のためにあつらえた標識が。しっかり見ないと見逃してしまいそうだ 浜松町から北上し、次は御茶ノ水を紹介 中央線の快速電車と各駅停車(総武線とも)が並行する、鉄道ファンにも人気の場所 擁壁の形状のみならず、ツタの絡まり具合まで実物同様に再現した 有名大学が集まる御茶ノ水には、たくさんの学習塾や予備校が展開 テナントの名前は微妙に変えている そういえば「階段で屋上へ上る」という経験も、現代の都会では稀になった 汚れた室外機が存在。飲食店の裏口らしい景色である 架線の汚し塗装も見事 御茶ノ水を上空から。電車で通過する際は一瞬で見終える、何気ない光景 同じ模型を逆側から撮影。「LATTALIA」はハンバーガーショップか、それとも… 「アンパンショップ」らしからぬ色使いで、不動産屋と間違えてしまいそうだ 同じく御茶ノ水だが、今度は地下鉄丸ノ内線・御茶ノ水駅のジオラマを見ていこう 丸ノ内線の車両が地下鉄の駅に滑り込むところ 車両ともども、LEDが点灯するようになっている 天板を外すと、作り込まれた地下鉄御茶ノ水駅の様子がよくわかる 駅に並ぶ人々の表情や会話を想像するのも楽しい 駅部分のみのジオラマなのでNゲージを走らせることはできない 舞台は西に移り、こちらは大阪環状線の大正駅。沖縄タウンとしても知られる町だ 駅名板には実物と同じ書体を使用している 架線柱や鉄柵の細かいパーツは3Dプリンタで出力した ガード下には自転車が並ぶ。こちらも3Dプリンタ製だ 駅前らしい飲食店が並んでいる。自転車撤去の看板もリアルである 建設現場の覆いやゴミ箱など、生活感がたっぷり 昭和を代表する国電103系。大阪環状線からはすでに引退した 続いて、同じく大阪環状線の鶴橋駅をモチーフに製作したという作品へ ガード下で営業する飲食店や商店。シャッターの閉まった様子がリアルだ 大正駅に飾ったのと同じ103系の模型を置いてみた様子 ゴミ箱や自転車の具合が、寒々しい冬の朝をイメージさせる 歯医者や接骨院など、ガード下らしいテナントの数々 103系の走る町並みは「昭和レトロ」であると同時に「平成レトロ」でもある 阪急百貨店でも展示された、阪急宝塚線・箕面線のターミナルである石橋阪大前駅 石橋阪大前駅のCADの設計図がこちら。建物の形状は意外とシンプルなようだ 特徴的な踏切もそのままに再現した 昔ながらのクリーニング店がシャッターを下ろしている ICカード対応の改札機は3Dプリンタで出力した 駅のホームで電車を待つ人たち。大きなリュックを背負っているのは学生だろうか 駅のホームで電車を待つ人たち。LED発車標の内容は相当近寄らないと確認できない ホームの様子を見せるため、屋根は骨組のみとした 電車を待ちながらスマホを操作。現代的な光景である カラオケチェーンが出店。大学生でにぎわっていることだろう バラストが敷き詰められた軌道もリアル 「マルーンカラー」として知られる茶色い阪急電車がホームに到着 石橋阪大前駅の特徴的な構造が手にとるようにわかる 地方銀行の看板が目立つ駅前 すぐそばの高架道路をバスが走る 「クオリティの高さについ学生時代を思い出しました」とは、阪大出身の担当編集者談 箕面線と宝塚線が乗り入れる石橋阪大前駅。利用者も多い 駅構内の各種掲示は、顕微鏡で確認しないと読めないレベルだ ここにも室外機が Twitterでバズったという、信号機と横断歩道のジオラマ。サイズ感はというと… 手に持つとこんな感じ! 作者本人と信号機 これまで見てきた鉄道模型のジオラマより大きなスケールである 柱や細かい部品は3Dプリンタで出力し、地名の表示は印刷している 東京のスタンダードな信号機を忠実に再現 人工物とはいえ直線ばかりではなく、ケーブルのたわみも美しい 東京都民にはおなじみ、緑色でいちょう柄のガードレール ザ・普通の歩道だが、これを再現しようという発想はまさに異端 信号機を支える構造はこの通り。見ているとなんだか勉強になる 作業場の様子。塗装にはエアブラシを活用している 完成したジオラマの撮影ブース。デジカメとスマートフォンを適宜使い分ける ジオラマ製作に活躍する、レーザーカッター(左)とインクジェットプリンタ(右) 厚紙がカッティングされ、パーツへと姿を変える こちらが3Dプリンタ。研究機関などにある高価なものというイメージもあるが、こちらは数万円の安価なものだという 小学生時代に作ったという、処女作のジオラマ。地元の田園風景を再現したものだ ここに関西本線の列車を走らせて楽しんでいたという そんな最初のジオラマから10年以上が経ち、クオリティが異常に高まった現在 大量の人形を完成させるまでの根気も、ゲームで培ったものだろうか スマートフォンの液晶画面を使えば、好き勝手な映像を街頭ビジョンに流せる 熱気に包まれる渋谷の町。ジオラマなら独り占めだ