【相談】世代が離れた人との雑談が苦手です

【お悩み】
職場でもご近所でも、世代が異なる方とコミュニケーションを取るのに緊張し、気を使って悩んでしまうことがあります。目的がはっきりしている場合はまだしも、雑談ってハードルが高いですね。個人差はあれど、世代ごとの特有さはあると思うのですが、それを上手につかむ方法があればいいなと思います。(28歳・女性・ローズのバスソルト)

 相談者さんは20代なので、おそらく年上の方とのコミュニケーションの取り方に悩んでいるんだと思うんですが。正直、年上の人とのコミュニケーションってつまらないですよね。話は退屈だし説教くさかったりするし、相手のほうが立場が上なことも多いから、気を使うのはこっち側。相手を楽しませようとするのは疲れちゃうし、気を使われているなって相手にも伝わっちゃうから、さらに会話が薄っぺらくなっていく。

 こういうとき、僕は「どうやったら自分はこのつまらない状況を楽しめるのか?」と考えるようにしています。

 例えば相手が、20代女性からしたら一番退屈な、50代男性だとしましょう。まったく興味もないその人と、5分ぐらい話をしなければいけない状況になったとする。普通に考えると、地獄ですよね。その5分を、50代男性とコミュニケーションするやり方を鍛える時間と捉えてみるのはどうでしょうか。目の前にいる50代男性のサンプルからいかに面白い情報を引き出せるかというゲームが始まった、と考えてみる。

 「あなたの世代の人って、どういう話をすると盛り上がりますか?」という質問はいいかもしれないですよね。「腕時計好きの中で、これを知っているとセンスがいいと思われるブランドってあるんですか?」とか。そこで引き出した情報を、次に繫げればいい。別のおじさんと腕時計の話になったら「その腕時計のことを話せばいいんだ」となるし、実際そんな機会は来なかったとしても、本当に好きなものとか熱中しているものについての話って、聞いていてそれなりに面白かったりします。

 「どうやって相手を楽しませようか?」ではなく、「どうやったら自分が楽しくなるか?」。どんな人間関係でも、この発想を持っておくことは大事だと思うんです。

 続きは「CREA」2026年秋号でお読みいただけます。

小川 哲(おがわ・さとし)

作家。1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年、『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。23年『地図と拳』で第168回直木三十五賞を、『君のクイズ』で第76回日本推理作家協会賞を受賞。9月30日に『オルロージュ』(講談社)が発売になる。

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