〈神戸に住んで私の人生観も文学観も変ったかもしれない〉
『ほっこりぽくぽく上方さんぽ』を引くまでもなく、そこは大阪に生まれ育った田辺の第二の故郷であった。
結婚後10年を過ごし、小説の舞台にすることも多かった。ある作品では、大阪から来た青年が「大家族が町になっているみたい」と評する。
それだけに、すでに伊丹に移って久しい1995年の大震災にはひどく心を痛め、すぐには足を向けられなかったという。
3年が経ち、再訪が叶った。〈神戸古馴染みという人間のいくところは昔ながらのお店がいい〉と目指したのが、三宮の賑やかな繁華街に立つ「もん」。コロッケとスープを味わった。
店には今も二代、三代前からの常連が集う。田辺も、さながら“大家族”の賑わいに復興を見出し、胸を撫でおろしたのだろう。
欧風料理 もん
所在地 兵庫県神戸市中央区北長狭通2-12-12
電話番号 078-331-0373
営業時間 11:00~20:45
定休日 第3月曜
※初出:文藝春秋 2024年3月号
※記載内容は変更されている場合もあります
