まさかのあの曲で夏フェスばりにタオル回し!

 さらに驚くべき報告が。なんと今回のコンサートで、ノリノリの夏フェスにありがちなタオル振り回しがあったのだ! これを読んでいるあなた、今、

「さだまさしの歌でタオル回せる曲ある?」

 と思ったのではなかろうか。わかる。私もさださんがおもむろに、

「以前共演した湘南乃風がやっていたタオル回しに憧れてね、やってみようと」

 と言い出したときはビックリした。しょしょ湘南乃風!? 「睡蓮花」的な歌が来るのか? カバンの中から「さだまさし手拭い」を取り出し、オロオロしながらどの曲が来るのか待った。

 すると響いてきたのは、歌詞を知らずとも誰でも一緒に歌える、有名すぎる某ドラマ主題歌――。タイトルは伏せるが、とにかく約3分間、さださんも我々観客も歌いながら、オリャオリャとタオルを回したのだった。湘南乃風ほど速くはないが、独特で、唯一無二の一体感を味わった。しかも意外なほどの運動量! 途中、さださんからの

「時々(タオルを回す)腕を変えてくださいね。痛くなりますから」

 という声掛けがあったが、通路を挟んで向こうのマダムたちが、とても元気にタオルを回し続けているのが目に入り、私も負けてはならぬと、腕を変えず手拭いをオリャオリャ回し続けた。

 2日後(←次の日じゃないのがまた……)に筋肉痛になったのは言うまでもない。

幸せになる約束の言葉

 コンサートの最後、歌われたのは「神様の言うとおり」。ステージの端から端まで、靴に羽が生えたようにステップを踏みながら、さださんは歌う。

約束したでしょう
しあわせになりましょう

 まるで、やさしいおまじないのようで、「神様は、言葉に棲んでいるのかもしれないなあ」と思ってしまった。

 日本の言葉はたくさん種類があって、とても美しいものなのだ。セットリストには「防人の詩」など、命を思わせる楽曲もあり、美しいからこそ心に突き刺さった。

 コンサートが終わり、会場が明るくなったあとも、頭の中で感情がドラム洗濯機のように回り続ける。現地調査など息巻いたが、調査どころではなく、ひたすら心が動かされ時が過ぎた。アグレッシブすぎた、さだまさし!

  ただひとつ、確信したことがある。「これからも、彼の音楽に驚かされるだろう。※永遠案件」。これを、今回の報告の締めとして書き記したい。

 ということで、長期的調査に向け、態勢を整えねば。よし、さっそくタオル回しの自主練を始めるか――。

田中 稲(たなか いね)

ライター。WEBを中心に、昭和歌謡、J-POP、世代研究、映画・ドラマの記事を執筆中。感動したら即行動をモットーに、50代半ばから、コンサートレポート、インタビューにも走り回るようになる。
著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『なぜ、沢田研二は許されるのか』(実業之日本社)がある。
執筆協力も、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(じっぴコンパクト新書)『時代小説・時代劇がよくわかる剣術・剣豪と刀[本/雑誌] (じっぴコンパクト新書)ほか多数。
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