愛されてきたものは、これからも誰かの時間を温める

 女王の心に寄り添うために焼かれたと伝わるヴィクトリアケーキ。明治の時代から100年以上にわたり、多くの人々に愛されてきた洋館。そして、その洋館が壊されることのないよう、守りたいと願った人々。

 誰かのために作られたものが、長い時間を越えて今も残り、誰かに守られながら、その場所でまた新しい誰かを迎えている。

 そう思うと、旧尾崎テオドラ邸でヴィクトリアケーキを食べることには、ただ英国菓子を味わう以上の意味があるように感じられる。

 そして、こうしてここに足を運び、紅茶を飲み、ケーキを味わう私たちもまた、この洋館と、この一切れのケーキの歴史を未来へつないでいく一員になっているのだと思う。

 人の愛から生まれ、人に愛されて残ってきたものは、これからもきっと、誰かの時間を温めていく。旧尾崎テオドラ邸で過ごした午後は、そんな愛の連なりにそっと触れるような、やさしいひとときだった。

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旧尾崎テオドラ邸 喫茶室

住所:東京都世田谷区豪徳寺2丁目30−16
営業時間:10:00-18:00 ※喫茶室のみの利用は不可、入館チケットが必要です
休館日:木曜日
https://ozakitheodora.com/