一階の喫茶室でいただくアフタヌーンティー

 一階の喫茶室では、ケーキやサンドイッチ、こだわりの紅茶などが提供されており、予約をすれば、別室でアフタヌーンティーをいただくこともできる。

 アフタヌーンティーのために案内された部屋は、窓からやわらかな光が差し込む、落ち着いた空間。この部屋の床は一度剥がして基礎を直し、もともと張られていた板を順番に戻して張り直したものだという。

 運ばれてきたアフタヌーンティーは、下段にサンドイッチ、中段にスコーン、上段にスイーツが並ぶ、英国らしい三段スタンド。お目当てのヴィクトリアケーキも、半切れ添えられている。

 サンドイッチは、キューカンバーミント、たまごとクレソン、コロネーションチキンの三種類。

 キューカンバーミントのサンドイッチは、英国のティータイムを象徴する一品。今でこそ身近な野菜だけれど、19世紀の英国では、温室や手入れをする人がいなければ口にするのが難しく、きゅうりのサンドイッチでもてなすことは、当時とても贅沢なことだった。

 コロネーションチキンは、エリザベス2世の戴冠式にちなんで生まれた、カレー風味のチキンを使った英国の定番。

 スコーンには、添えられたクロテッドクリームと季節のジャムをたっぷりとのせて。英国でよく論争を呼ぶのが「先にジャムをのせるか、クリームをのせるか」問題。そんな小さな迷いも、英国のティータイムらしい楽しみのひとつ。

 そして、楽しみにしていたヴィクトリアケーキ。

 伝統的なヴィクトリアケーキには、ラズベリージャムが使われることが多いけれど、旧尾崎テオドラ邸では季節で味わいを変えているそう。この日の一切れには、レモンカードが挟まれていた。

 ふんわりとしたスポンジに、柑橘のほろ苦さと明るい甘酸っぱさが重なる。お店のおすすめだというダージリンの華やかさとも、よく合う味わいだった。

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