●3000本は数字だけの金字塔にあらず

 怒涛の約3時間、18曲!!

 日本ロック史に残る金字塔は、決して「3000本」という数だけではないのだなあと思った。同じメンバーで休まず新しい曲を生み、生で届け、ファンを感動させる彼らの在り方そのものが、金字塔なのだろう。

 総立ちの観客を見渡すと、笑顔、笑顔、感動の泣き顔の6200人。なんて熱いパワーの交感!! 今年初めての「SWEAT & TEARS」が響き、紙テープが舞い落ちる。高見沢さんの「3000」と光るギターが忙しく動く。アンコールでマイクなし、アカペラで「Pride」が響く――。

 「苦節ン十年は好きじゃない」と昔から語っていた3人。3000本を達成したこのライブで言ったメッセージも、とても若々しい。

「少なくとも今日より明日、ほんの少しでも良い音を鳴らせるように」

 ホテルに帰って広げた、3000ステージを記念して発行された新聞には、彼らがライブで訪れた場所が日本地図形式で記してあった。53年、3000本、ずっと歌い続けた3人と待ち続けたファンがいたという奇跡の両想いの証だ。黒地に白の文字で、コンサートが開かれた会場名と回数がびっしり書かれ、星のように光浮かんで見えてくる。

 お互いが求め合い重ねた3000本。その記録を超え、これからも星空は広がっていくのだろう。

 なんという最高の輝き。なんという素晴らしき終わらない旅!

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田中 稲(たなか いね)

大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。個人では昭和歌謡・ドラマ、都市伝説、世代研究、紅白歌合戦を中心に執筆する日々。著書に『昭和歌謡出る単1008語』(誠文堂新光社)など。
●オフィステイクオー http://www.take-o.net/