●最初からハイスピード。ヒット曲連発で飛ばす前半!

 相変わらず前置きが長くなったが、いざアルフィー3000本ライブの開幕! カラフルな照明が点滅し、「キャーッ!!」と声援が響く! いやもう声援も立派な照明になるのだと感動する。「黄色い声援」という表現があるけれど、この日のファンの声は、もっとキラキラ「ゴールド」な声援! ファンの声から出るワクワクオーラが会場をさらに輝かせている気がする。

 ステージにアルフィーが登場。オープニングは、「HEART OF RAINBOW」! しょっぱなから「愛している誰よりあなたを!」と歌で宣言してくれる3人に、会場がブチ上がったのは言うまでもない。

 しかもこの日は「星空のディスタンス」「メリーアン」を前半に連発するという、マラソンのスタートからウサイン・ボルト並みに飛ばして走るみたいな構成となっていた。桜井さんが宇宙まで響くような声で歌う! 坂崎さんがくるくるとスティックを回し華麗に歌う! 高見沢さんがハイトーンでシャウトしながら飛ぶ!!

 全員古希を過ぎているのだが、3人を観ていると「古希」の定義が70歳ではなく、70万馬力を意味する気がしてきた。

 当日は高見沢俊彦の72歳の誕生日。MCでは、高見沢さんがいまだに堂島ロールを1本、ペロリと平気で食べると桜井さんが暴露していた。あの生クリームの塊みたいなのを丸ごと……! 羨ましい。

●生演奏の迫力! 「君が生きる意味」を「アルフィーが歌う意味」

 私が胸震えたのはむしろ後半。10曲を超えたあたりからさらにハードな曲でギアを上げてくる。体力気力もすごいが、何より3人が本当に楽しそうだ。高見沢さんは

「72年生きて分かったことが1つあります。バンドというのは熟成するのではなくて、辞め時が分からなくなる病気です。完治しません」

 と仰っていたけれど、こんなに楽しそうなら、そりゃもう辞め時なんてわかんなくなるだろうとつくづく思う。

 最新アルバム「君が生きる意味」から数曲披露されたのには興奮MAX。思わず両手を拝むようにして聴き入ってしまった。

 ああ、強さを得ていく旅人が見えるよ(泣)。自然の風や葉音、鳥の鳴き声、川のせせらぎ、砂利道の音、胸の鼓動、すべて聴こえてくるようだ!!

 私は「君が生きる意味」という楽曲は、「アルフィーが歌う意味」と勝手にサブタイトルをつけている。これは70歳を超えてティーンエイジャーの心を持ち、青年のパワーを兼ね備え、50年以上続けた技術と経験値と人生の言葉を持っている今の彼らにしか歌えない歌だと思うからだ。

 音の数も言葉の数もとにかく多く、とても複雑で、正直、生演奏に向いている曲ではない。けれど、3人はやるのだ。何曲も演奏したあと、「想いよ届け」と後半からやってのけるのだ

 ポエトリーリーディングにも近い、立ちすくんでいる人たちへの鼓舞を、生演奏であんなに力強く、しかし説教臭くならず響かせるなんて、今の3人にしかできない!

 ザ・ベストテン世代の私は、80年代の曲に一番テンションが上がっていたけれど、これからは、きっと「君が生きる意味」と「孤独の太陽」を待ちわびるのだろう、と聴きながら思った。想い出フィルターなどなんのその。それ以上を生み出してくる。次へ、次へ。これって本当にすごいことだ……!

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