サッと作った料理でも、素敵なうつわに盛ればあっという間にごちそうに! 料理の腕に自信がない人、もしくは忙しくて料理にあまり時間をかけられない人こそ、いいうつわの底知れぬ力を最大限に享受したいもの。
うつわと簡単料理のベストなコーディネートを、うつわ千鳥の店主・柳田栄萬さんのエッセイ『うつわと料理のおいしい関係』(実業之日本社)より、一部抜粋してご紹介。この一冊で、がんばらなくてもおいしく美しい食卓が整います。
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ガラスのうつわ
料理を引き立て、食卓をしつらえる
透明なうつわの力
作家がひとつずつ吹いて作ったガラスのうつわには、ふとした瞬間に、とろりとした柔らかさを感じることがあります。手仕事ならではのゆらぎの中に、ガラスが液体であった頃の面影が見えるのです。私が特に好きなのは、曇りの日の薄暗い部屋に置かれたコップ。光の乱反射がない分、テクスチャーがくっきりと浮かび上がります。色も装飾もないシンプルなコップが、実は味わい深い顔をしていたことを思い出す瞬間です。
ガラスの皿や鉢、ボウルも、食卓に欠かせないアイテム。冷たい料理との相性の良さは言うまでもありません。暑い日には、サラダやスープをうつわごと冷蔵庫に入れて冷やせば、なによりのご馳走になります。クリアな皿に果物を置くと、水に浮かんだような不思議な光景に。夏以外の季節ならば、隣り合ったうつわを引き立てる脇役として、いい仕事をしてくれます。木のうつわはナチュラルで健やかな印象が際立ちますし、白磁はどこまでも清らかに。特におすすめなのは、黒い漆器との組み合わせ。互いを引き立てあう、とてもすばらしい組み合わせです。ガラスは一層きらめき、漆器はしっとりと濡れたような色っぽさを見せてくれます。
