サッと作った料理でも、素敵なうつわに盛ればあっという間にごちそうに! 料理の腕に自信がない人、もしくは忙しくて料理にあまり時間をかけられない人こそ、いいうつわの底知れぬ力を最大限に享受したいもの。
うつわと簡単料理のベストなコーディネートを、うつわ千鳥の店主・柳田栄萬さんによるエッセイ『うつわと料理のおいしい関係』(実業之日本社)より、一部抜粋してご紹介。この一冊で、がんばらなくてもおいしく美しい食卓が整います。
そば猪口
一器多用!
日常を支える名脇役
名前からして用途が限定されていそうですが、実はこれほど使い道の多いうつわもありません。湯呑にも手頃な大きさですし、小鉢やデザートカップとしても。磁器製であればタレを入れたり、余った副菜を入れて冷蔵庫で保存したりするのにも適しています。まさに「一器多用」と言えるそば猪口ですが、その魅力は、形の潔さにあるのかもしれません。素っ気ないように見えて、手によく馴染み、安定感があってこぼしにくい。もちろんスタッキングも得意。元々は江戸時代の業務用食器なわけですから、当然といえば当然ですね。基本的なフォルムが決まっている分、作り手は釉薬や絵柄で作家性を表現します。
使い勝手に差異はほとんどありませんから、心に響いた、お好きなものを選んでください。土味の効いた渋めのテイストなら焼酎のお湯割りにも合いますし、胡麻和えのようなお惣菜にも。磁器製ならばちょっとした調理道具としても使えます。粉からしを練ったり、調味料を混ぜ合わせたりするのに、ちょうどいい大きさなのです。特別のお気に入りが見つかったら、デスク回りの小物入れにしてしまうのもあり。私は付箋やクリップを入れるのに愛用しています。そして本来の使い方、そばつゆ入れとしては、小ぶりのサイズが断然、おすすめ。大きすぎると野暮ったく、不思議と味がぼやけて感じるのです。
