40代で改めて恋愛をしたことで得た「気づき」

――収録曲『Floating Planets』では、大人の恋愛を歌っていますね。若い頃の恋愛と今とでは何が違いますか?

 『Floating Planets』は、離婚してずいぶん経ってからの10歳下の男性との恋愛を歌った曲なんです。これまで年上の人ばかりと付き合っていたから、下の世代の人との恋愛ははじめてですっごく楽しかったです。その人とは今はもう別れてしまったけど、たまに連絡を取り合う仲です。

 若い頃は恋が終わって欲しくないから必死に希望にしがみついていたんですが、今はすべてのものに終わりが来ることをわかってしまっている。そこが一番の違いかな。極端な喜びも、極端などん底も続かないって分かっている恋愛というか。

 カウンセリングを経て、お互いの幸せってなんだろうと、きちんと考える余裕があるところから恋が出来るようになったのは大きいかもしれない。もちろんドキドキもするし、嫉妬もします。でも、過去の恋愛よりもう少しフラットになれている自分がいます。

 認められたいって感情ってとても自己中心的なものですよね。人から認められたい、愛されたいと思っているばかりで、自分を愛すことのできない人って、他人のことも愛せないんですよ。自分への愛と他人への愛は比例してる。

 実は私は二度離婚しているんですけど、相手に認められたいって感情が強かったから、私から相手に与えられていたものもとても少なかったと思います。自己肯定感が低くて、自分を愛してあげられていなかった私は、相手のことも十分に愛してあげられてなかったんですよね。人は自分を愛している分だけしか、相手のことも愛せないから。

 今も認められたいって感情はなくなってません。コンピュータのオートプログラムのように、この感情は一生なくならないと思う。でも、「今、認められたくなっちゃってるな」って気付けるようになったんですよ。だから、その感情にストップボタンを押せるようになった。

――カウンセリングで得た気づきと、年を重ねたからこそわかったことが自然につながってきているんですね。

 うん、そうですね。スタッフの方々は、私がこうやって自分の感情を赤裸々に歌詞にしたことに最初は驚いたと思う。でも、イタいと思われてもいいから、今辛い思いをしている人に、「あなたと同じように葛藤してる人がいるんだよ」と共有したかった。苦しんでる人たちをハグしてあげたいような気持ちです。

 それに、カウンセリングをおすすめしたい気持ちもあって。美容医療やジムに通うことと同じく、メンタルケアを意識することは価値のある自己投資だと思います。20代の自分にも絶対すすめたい(笑)。

 みなさん、もし少しでも心にモヤモヤや違和感があるなら、まずはカウンセリングに行ってみてください!

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アンジェラ・アキ

シンガーソングライター、ミュージカル音楽作家。日本人の父親とイタリア系アメリカ人の母親との間に生まれる。2005年にメジャーデビュー。2008年「NHK全国学校音楽コンクール中学生の部」の課題曲に書き下ろされたシングル『手紙 ~拝啓 十五の君へ~』が大ヒットしロングセラーに。2014年に渡米し、音楽を学ぶ。2024年にミュージカル作品『この世界の片隅に』の音楽を担当。2026年オリジナルアルバムとして約14年ぶりになるニューアルバム『SHADOW WORK』をリリース。

アンジェラ・アキ New Album
『SHADOW WORK』3,850円
ソニーミュージックレーベルズ レガシープラス
公式HP

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