薗部真一さんが担当する、イチオシ作品は?

◆『小さなお茶会』猫十字社/宝島社

 1978年から、「花とゆめ」(白泉社)で9年間連載していた人気作『小さなお茶会』の全話及び、番外編・エッセイマンガを愛蔵版全3巻で完全収録。上巻には、フルカラーで蘇る原画ギャラリーページや、幻のエッセイ短編「お人形の思い出」も。かわいい“ぷりん”とやさしい“もっぷ”の、おだやかでちょっと不思議なお茶会が心を癒してくれる。

 「花とゆめ」で80年代初頭に連載された作品。かつて復刊を担当させていただきました。

 ショートメルヘン短編なのに、ほっこりもあり、悲しくもあり、さびしくもあり、あたたかくもあり、必ず毎話新しい感情を与えてくれる感情量の多い作品です。夜ふかしの合間に読んでいただけますと。現在、尾道市で500枚以上の同作の原画を掲示した個展が開催中です」

人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?

◆『近畿地方のある場所について』マンガ:碓井ツカサ、原作:背筋/KADOKAWA

「映画にもなっている人気小説だが、コミカライズがすばらしい。怖いけど、なぜそんなことが起きているのか気になって気になって……。読ませてくださってありがとうございます」

薗部真一さんの「マンガを読むときのマイルール」

「寝る前になんか一冊読める夜は、幸福です」

薗部真一/文藝春秋

文藝春秋編集者。1978年生まれ。元「このマンガがすごい!」編集長。『翔んで埼玉』(魔夜峰央)『ペルシャの幻術師』(マンガ:蔵西、原作:司馬遼太郎)など。

CREA夜ふかしマンガ大賞とは…

マンガを愛する選考委員とCREA編集部の推薦により選ばれた「思わず夜ふかしして読みたくなる」そして、「いま、CREA読者に本当におすすめしたい」作品に贈る賞。今年は初めて、15名のマンガ編集者の皆さんに選考委員をお願いしました。2024年7月~25年8月に単行本の新刊が発売された(ただし、合計5巻以内)、もしくは、雑誌などに最新話が発表された作品から選出されます(※選考委員の担当作は推薦不可、現在所属する出版社が発行する媒体の掲載作品は1作まで推薦可)。その他、マンガ好きの著名人の方々が選ぶ「個人賞」もあります。

Column

「CREA夜ふかしマンガ大賞2025」選考委員アンケート