#079 La Paz
ラパス(メキシコ)

“平和”という名の町で超ハイパーなダイビングを

カリフォルニア・アシカたちの巨大コロニーが暮らす、荒々しい岩肌をむき出しにしたロスイスロテス。

 バハ・カリフォルニア半島の先端近く、コルテス海に面した港町ラパス。

 “平和”という名のこの町を拠点にしたダイビングは、マイベスト3にリストアップしたい超ハイパーなものでした。

 水中で天を見上げ、感謝の言葉を念じたこと数え切れず。憧れの生物たちが、次から次へと登場するのです。陸上はたしかにのんびりと“平和”なのだけれど、ひとたび水面下に滑り込むと、ダイバーが穏やかではいられない狂喜乱舞なサプライズが待っています。

陸地は乾燥した砂漠にサボテンがにょきにょき。

 ラパスでのダイビングはメキシコ本土とバハ・カリフォルニア半島の狭間にあるコルテス海(カリフォルニア湾)が舞台になります。この海は、奇跡のようにいろいろな条件が重なって、世界でも有数の豊饒の海となっているのです。

魚影の濃さにまず驚く、ラパスの海。透明度を確認する以前に、魚群で視界が埋まってしまいます!?

 北米からぶら下がったように延びるバハ・カリフォルニア半島は、2万年前に地殻変動によってメキシコ本土から切り離されました。その合間を満たすコルテス海はコロラド川から流れ込む養分を含んだ水と、豊富なプランクトンに恵まれた上に、温帯から熱帯までの環境が分布しています。

2016.01.23(土)
文=古関千恵子
撮影=鍵井靖章