用の美・竹の魅力

さわさわと風に揺れる葉音が心地良い。

 東山界隈の寺院に配された竹林、和室の網代天井や床の間、茶道具など、いろいろな所で竹に触れることができます。青竹の酒器は竹の香りとともに、日本酒の味わいを豊かなものにしてくれます。

古民家で長年燻されて炭化した「煤竹」。縄目模様になった「景色」が重宝される

 青竹だけでなく、竹の風情を楽しむために工夫されているのが、MY箸体験にも使われている「煤竹」。古民家でおくどさん(かまどのこと)や囲炉裏の煙に何年も燻された竹は、味わい深い色に変化します。その煤竹を建材にしたり、道具にしたりして楽しみます。近年ではおくどさんが電化製品に取って代わられ、なかなか入手できなくなってきているそう。MY箸体験の煤竹は、人の手で炭化させたもの。それでもあの色を出すために1週間かけているというから驚きです。

教えて下さった横山裕樹さん。「竹は暮らしのあらゆる所に使われています。竹の道具から自然の景色をイメージしてみてくださいね」

 竹にもいろいろありますが、まずは「煤竹」を見るたび、美しい道具を作るために手間暇を惜しまない、京都の職人さんのこだわりを感じたいものですね。そして、空へと真っ直ぐに伸びる竹の姿は、何かに向き合う志のようなものを感じさせてくれることでしょう。

TAKE TO 竹 横山竹材店
京都市上京区油小路通下長者町上る亀屋町135
TEL.075-441-3981(代)
www.yokotake.co.jp/

京都のイベント&非公開寺院情報

嵐山花灯路
12月9日~18日、嵐山界隈の散策路に露地行灯が置かれ、嵯峨野の竹林などがライトアップされる
www.hanatouro.jp/arashiyama/index.html

京都冬の旅
非公開文化財の公開や冬のイベント情報が満載
www.kyokanko.or.jp/huyu2011/index.html

Column

五感を磨く京都歳時記

山紫水明の豊かな自然と伝統文化が息づく京都から、
五感を研ぎ澄ます四季折々の風景を中野弘子さんがお届けします。

2011.11.30(水)