エミール・ガレの植物学への造詣と情熱

《脚付杯 ひなげし》被せガラス、マルケットリー、手彫り、脚台熔着年記1900年 (1900年パリ万国博覧会出品作) 北澤美術館蔵

 19世紀末の欧州を席巻した芸術様式アール・ヌーヴォーは、曲線的で優美な造形が特長。そのスタイルは、アーティストたちが自然界のかたちから学んで生み出された。

 時代の中心人物で、ガラス工芸を手がけたエミール・ガレは、とりわけ植物学への造詣と情熱が凄まじかった。広大な庭で3000種近い植物を育て、盛んに論文まで書いたのだ。

 デザイン画や作品からなる展示で、彼が追い求めた美のありようを知る。

『ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉』
会場 東京都庭園美術館(東京・白金台)
会期 2016年1月16日(土)~4月10日(日)
料金 一般1,100円(税込)ほか
電話番号 03-5777-8600(ハローダイヤル)
URL http://www.teien-art-museum.ne.jp/

山内宏泰(やまうち ひろやす)
ライター。美術、写真、文芸その他について執筆。著書に『写真のフクシュウ 荒木経惟の言葉』(パイインターナショナル)、『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)など。「写真を読む夜」「provoke project」など写真に関するイベントも定期的に開催。

Column

山内宏泰のこの1枚に会いたい!

美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。

 

2016.01.16(土)
文=山内宏泰

CREA 2016年2月号
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この記事の掲載号

大人の少年少女文学

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