あの「サードウェーブ」のルーツも、日本の古きよき喫茶店での丁寧な抽出法にあるという。エアロプレスや金属フィルターなど、新しい抽出器具が続々登場する中、昔ながらのスローな抽出法「ネルドリップ」が再注目されている。
この冬はぜひ、濃いめのこっくりとしたコーヒーを。
第1回目は、“HOW TO”篇。おいしいコーヒーの淹れ方を「カフェ レ ジュ グルニエ」店主の斎藤修一さんに伺いました。
【HOW TO】おいしい淹れ方
フランネル生地を使ったネルフィルターはペーパーのように油分を吸収せず、また微粉を通さないので、舌触りのなめらかなコーヒーになるのが特徴。ちょっとしたコツを覚えれば、自宅でもおいしく淹れられる。
●Step1 フィルターに豆をセット
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/5/-/img_45acb27beebd2693124700eb90b6853942530.jpg)
たっぷりの豆(100gの1杯分につき20g)を粗めに挽いてフィルターにセット、棒で中央に穴を開ける。
●Step2 少量の湯を回し注ぐ
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/e/-/img_ee8ef6c4a94076d252cbd53eecd2e98564352.jpg)
ぬるめ(80度)のお湯を、ネルから落ちないくらいの量で豆全体に行き渡るよう、回しながら注ぐ。
●Step3 蒸らし時間で味が変わる
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/6/-/img_563c0665e591d48ea9c8d5e1cec2d61e58698.jpg)
だんだんと豆がふくらみ、落ち着いてくるまで(20秒ほど)蒸らす。この時間が長いほど濃い味が出る。
●Step4 お湯は“置くように”注ぐ
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/3/-/img_932da643ecc0c18abc8e9993b5f9cdfd63588.jpg)
勢いよく注いで中が動かないよう、ポットを豆に近づけ、置くような感覚でポタポタとやさしく回し注ぐ。
●Step5 泡が沈まないように
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/5/-/img_655dd0602c836df04180466b3590c4f760705.jpg)
縁にお湯がいかないよう、表面の泡が沈まないよう一定の量を真ん中に注ぎ、最後徐々に高くしていく。
お手入れは……
豆を捨てて洗ったあと、水を入れた容器にフィルターを浸し、そのまま冷蔵庫で保存する。長く使わない場合は冷凍庫へ。
● 教えてくれたのは……
斎藤修一(さいとうしゅういち)さん
カフェ レ ジュ グルニエ店主。青山にあった伝説の喫茶店レオンでコーヒーに目覚め1976年に自身のお店をオープン。
カフェ レ ジュ グルニエ 表参道
所在地 東京都港区南青山5-9-5 2F
電話番号 03-3499-6297
営業時間 11:00~23:00(土・日・祝 12:00~22:30)
定休日 無休
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
2015.12.28(月)
text=Mitsuharu Yamamura
photographs=Ryu Kagioka
CREA 2016年1月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。