高校時代に腰を痛めてから、疲れが溜まると腰痛が出てしまう私。妊娠が分かった時から、「あぁ、あの痛みがきっとやってくるに違いない」と覚悟はしていたのです。

 妊娠8カ月が過ぎたころ、その時がやってきました。

 数日の間、尾てい骨付近がキシキシと擦れるような感覚があったのですが、「妊娠中だから、多少の腰痛は当たり前」と放っておいたのが大間違い。

 ある朝、ベッドから起き上がろうとした瞬間に、腰にビーンと鋭い痛みが走り、その後は寝るにしても座るにしても、姿勢を変えようとするたびに、耐え難い痛みが。下着を履こうと足を上げるのも辛く、寝返りなんてもってのほか、歩く姿勢は杖の必要なオバアチャン状態に……。

 整体に駆け込み、翌日は鍼治療(患部に鍼を打つときに響くこと、響くこと……!! 即効性は抜群でしたが)、骨盤矯正、と通い、なんとか動けるようになりました。

「マイナートラブルと思って放っておくと、大変なことになることもあるんですよ」これは骨盤矯正のサロンで言われたことですが、身に沁みました。

 私の場合は妊娠8カ月でしたが、人によっては出産直前に悪化し、腰が動かない、力が入らない状態で助産師さんに抱えられるようにして分娩台に乗せられてそのまま出産へ……なんて人もいるそうです。(陣痛の痛みに加えて腰の痛み……想像しただけで、恐ろしい)

 そもそも、妊娠中のマイナートラブルとは、ホルモンの作用や体型の変化などで体への負担が大きくなり、そのために起こる不快な症状のこと。めまい、足のむくみ、貧血、腰痛、その他、こむら返りや頻尿、痔など……その症状は人によってさまざま。

 鍼の先生に言われたのですが、軽い症状の場合、産婦人科では「妊娠中にはよくあることですから」と流されてしまうことがあり、特に初産婦の場合)私もそうだったのですが)、「このくらいの痛みは当たり前なのでは、と思ってしまいがち」。

 けれど、「その辛さは必要なものではないし、ハッピーなマタニティライフを過ごすためには、むしろなくていいもの」。

 確かに! その先生はこんなことも言っていました。「出産にも準備が必要なんですよ」

 当たり前のことなのですが、それまで十月十日が大きな問題なく過ぎれば赤ちゃんは自然に生まれてくるものと思い、「何となく不調」を感じながらも、仕事のペースも落とさず体のケアを怠っていた私にとって、はっとさせられた瞬間でした。

 結局、この腰痛のおかげで、マタニティスイミングやヨガといった類の運動もほとんどできなかった私。第二子の時は今回の教訓を生かして、早めにメンテナンスしたいと思います。

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2011.11.14(月)