本を一冊たずさえて、次なる一冊を求めておでかけする。そんな、まさにブックラバーの理想の休日を叶えてくれる、一筋縄ではいかない東京の本屋さんたちをご紹介します。

» 第1回 コーヒーも楽しめる本屋さん「本とコーヒー tegamisha」
» 第3回 秘密のアジト的本屋さん「SNOW SHOVELING」

◆ 森岡書店 銀座店 <東京・銀座>

究極のブックセレクト、一冊だけ売る本屋さん

 本屋は品揃えが命! そんな常識を根底から覆す、たった一冊だけの本屋さん?

 「これが本の新しい売り方だと思ったんです」と、飄々と語る店主・森岡督行さん。茅場町でコアな美術関係の古書を扱う書店兼ギャラリーを営み9年、総花的に数多の本を並べるより、一冊の本をより深く。日毎にその思いが強くなっていったところ、「スープストックトーキョー」などを手がける「スマイルズ」の遠山正道さんとの出会いによって、実現とあいなった。本はほぼ週替わり、ジャンルは問わず。

取材時は陶磁器ジュエリー作家・小駒眞弓さんの作品と、創作のきっかけとなった宮沢賢治『ポラーノの広場』がコラボ。

 「本という二次元の世界を三次元で表現してもらい、読者と制作者側とがコミュニケーションをとりながら、作品をより面白く伝えらえたら」。これぞリアルでしか味わえない、五感を震わせる本の世界が待っている。

2015.08.25(火)
text=Mitsuharu Yamamura、Asako Fujino(BOOKLUCK)
photographs=Takafumi Matsumura

CREA 2015年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

本とおでかけ。

CREA 2015年9月号

街へ公園へ、空想の世界へ
本とおでかけ。

定価780円