陽光を浴びて育った夏の象徴「すいか」をおいしく楽しく愛でながらまるごと全部食べつくす、とっておきのレシピをお菓子研究家の福田里香さんにお伺いしました。

» 第2回 「すいか糖」のレシピ
» 第3回 「すいかの皮のピクルス」のレシピ

「すいか」の楽しみ方

 ざっくり切ってかぶりつくだけで十分おいしいけれど、こんな楽しみ方もあります。すいかを(皮まで!)まるごと全部、しかもかわいく食べつくす方法。

 夏休みの果物といえば、すいかです。まず、カラーリングが最高。緑の外皮に白い内皮、真っ赤な果肉で、別品種には黄色や橙色もあり、黒い種が点在する。緑、白、赤、黄、橙、黒。これに夏の“青”空を加えれば、まるでクレヨンの基本の七色だ。組み合わせ次第でどんな色でも作り出せます。だからでしょうか、すいかと青空が夏休みの絵日記の画題として永遠なのは。

 まずは、お絵描き感覚で、すいかのケーキを作ってみましょう。難しいカット・テクニックは不要。すいかをざっくり切り分けるだけで、豪華なホールケーキが20分で2台もできる。しかも超低カロリーで、たっぷり食べても大丈夫。この季節、濃厚な生クリームより、さくさくな果汁のほうが絶対おいしい。真夏生まれのお誕生日ケーキにもおすすめ。すいかは新陳代謝を促し、美肌効果、むくみ防止効果も期待できます。

 それから夏休みの実験感覚で取り組みたいのが、すいか果汁をまるごと1個分煮詰めて作る、すいか糖。単純作業って癒されますよ。また、すいか糖は、古くから民間療法として腎臓病に有効と伝承され、夏バテ防止、滋養強壮効果もあるそうです。余った皮はピクルスにすると青臭さが取れ、全部おいしく食べられます。

2015.08.02(日)
text・styling=Ricca Fukuda
photographs=Akiko Arai

CREA 2015年8月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

すぐできる、夏休みっぽいこと

CREA 2015年8月号

すぐできる、夏休みっぽいこと

定価780円