飲んでもないのに! なんとなく……頻尿!?

 早いもので暦のうえではいよいよ「立冬」。日ごとに昼が短くなるこの季節はまた、女性の排尿周期も短くなりがち……。今回のカルテは、弾む会話も途切れさせる「またトイレ!?」のプチ頻尿トラブル。ぜひご参考に。

頻尿、それはエネルギー低下のサイン!?

 四季を1日に置き換えると、これからの冬の季節はちょうど夜中。来るべき朝(=春)に向けて「気」を蓄えるべき時期とされています。この「気」はいわば生命エネルギーのようなもので、漢方理論では、五臓のうちの「腎」=腎臓にこの「気」が蓄えられると考えられています。困ったことに、冬はこの「腎」の気が消耗しやすくなり、それが、プチ頻尿につながってしまうのです……。

「気」なんて眉ツバ! のあなたへ
見えないものは信じない! そんな現実主義派の人も、実際は「やる気が起きない」「元気が出ない」などと、案外無意識のうちに「気」の状態を口にしていたりするもの。その程度の軽い感覚で捉えましょう。

 

体液の仕分け屋“腎”は、過労の冬へ!

 左のイラストからもわかるように、「気」と密接に関係している「腎」(=腎臓)は、とくに冬や寒さの影響を受けやすい臓器。主な働きは、体内を巡る水分の調整と代謝で、要は、不要になった水分を膀胱へ送りだして尿として排泄し、まだ必要な水分は再び肺へと送り戻して、全身へ巡らせます。いわば体液の仕分け屋が「腎」なのです。

 ただでさえ冬の寒さで腎に負担がかかるのに、汗をかくことの少ない季節は、さらに皮膚が担うべき水分排出の負担までもが「腎」に集中。これによって頻尿などの排尿障害が起こりやすくなります。いわばオーバーワークのシワ寄せが頻尿なのです。

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2011.11.05(土)
text:Akane Tanaka