子どもができることを増やせば時短につながる

 鈴木さんに「仕事と育児を両立する上で時短につながること」を伺ったところ、ふたつ答えてくれた。どちらも「時短が目的ではなかったけれども、結果的に時短につながっている」というものだ。

 ひとつめは「帰宅直後の読み聞かせ」だ。

絵本は常に身近にある存在。幼児でも手軽に取り出しやすいように配置している。

 8歳、5歳、1歳の男子のママである鈴木さんにとって、昼間の就労時間はもちろん、帰宅してから就寝までもまた、怒涛のようにやること満載の戦争タイムのはず。ところが鈴木さんは驚いたことに「帰ったらまず絵本を読みます」とのこと。

 帰宅後の気ぜわしい時間に限って子どもは構ってほしがり、物事がスムーズに進まない。そこで、まず一旦親子で気持ちを落ち着けるために、絵本を読むことにしたという。

 ものの5分か10分程度のこと。その時間をもつことで子どもはすっと満足して、その後は落ち着いて遊んだり、上の子が下の子の面倒を見てくれたりする。鈴木さん自身にとっても、子どもに関われるとても大切な時間となっている。

 もうひとつは、「子どもが一人でできることを増やしていく」ことだ。

 三男が生まれ、必然的に上の子にかける時間を削らざるを得ない。けれども、末っ子に時間を取られている間に、上の子が2人でお風呂にはいったり、寝る準備をしてくれたりすれば、それは明らかに時短につながる。

 「働いていると多少目が届かない部分も出てきますから、細かいことを指摘できません。子どもに任せざるを得ない状況にあることが、逆に子どもを成長させてくれているんじゃないでしょうか」とにこやかに笑う。

 とはいえ、鈴木さんが放任しているわけではない。いつの間にか子どもたちは成長し、昨日できなかったことが今日はできるようになっていく。子どもの「今ちょっとむずかしくてできないこと」を見極めて、ちょっとチャレンジさせていく過程を大切にしたい。そのためには、今の子どもに何ができて何ができないのかをしっかり把握する必要がある。

 そこで鈴木さんは3年日記で、子どもたちの成長の記録を続けている。3年日記は、上の段を見ると、去年の同じ日に、どんなことをしていたのかひと目でわかるので、子どもの成長が一目瞭然という利点がある。

 もちろん成長日記として気軽に楽しんでもいる。ときには子どもの描いた絵などを、そのままペタリと貼ることも。1年たって見た時にその成長ぶりに感動だ。

 記録という意味でも貴重だが、もちろん何にも代え難い鈴木家の宝物となるだろう。

 「10年後は、高校生を筆頭に男子3人なので大量のごはん作りにてんてこ舞いでしょうね」と笑う鈴木さん。子どもに手がかからなくなる分、もっと仕事にウェイトをかけられるその日を、今から楽しみにしている。

その日にあったことをさっと1~2行書き留めるだけでも、よい記録となり、思い出となる。

Column

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2015.07.16(木)
文・撮影=HITOMINA