ハワイ土産としても人気
希少価値の高い「コナコーヒー」の産地、ハワイ島コナ

 コーヒーは気難しい植物だ。コーヒーの木が育つためには、降水、日照、気温、土壌の4つの条件を必要とする。木が成長するときには雨が降り、収穫期には乾燥していなくてはいけない。日に当たるのを好むくせに、当たり過ぎるとしおれてしまう。朝夜の気温差があり、水はけのよい土壌が好ましい。

コナコーヒーを10%以上使用しているものは「コナブレンド」として売られている。ハワイでは100%コナコーヒーを買うのがおすすめ。

 この気難しいコーヒーが育つエリアは「コーヒーベルト」と呼ばれ、赤道の南北緯度25度以内にある地帯のことをいう。ハワイ島はこのコーヒーベルト上にあり、コナ地区はコーヒーの木が育つ環境が整っているのだ。しかし、他国と比べると圧倒的に農地面積が狭い。さらにハワイ州政府によって厳しく品質管理がなされ、常に高品質のおいしさを提供することで、コナコーヒーは希少価値があり、世界的に評価の高いコーヒーに成長してきた。

こちらがコーヒーの実。赤く熟したものは「コーヒーチェリー」と呼ばれる。

 今やハワイ土産の定番ともいえるコナコーヒーだが、数あるパッケージのなかから「これ!」というものを見つけるのは至難の業だ。やはりテイスティングをしてみたい。と、ハワイ島に暮らして18年になるというツアーガイドのBIG-JIN(ビッグ・ジン)さんに相談してみたところ、「コナコーヒーがテイスティングし放題のいいスポットがあるよ」と教えてもらった。

 それがロイヤルコナ・ミュージアム&コーヒーミル。

11号線沿い、キャプテンクックの町の少し南側にある。高台からの見晴らしもよく、コーヒー農園の向こうに海を一望する。

 ここはコナコーヒーのトップブランド、ロイヤルコナのビジターセンター。100%コナコーヒーはもちろん、フレーバーコーヒーやスイーツなどを販売している。常時10種類ほどのコナコーヒーをポットで提供していて、小さな紙コップでテイスティングができる。「ここではぜひ“ピーベリー”を味わってみてください」とJINさん。

 コーヒーの実の中には、ふたつの豆が向かい合うようにして入っている。ところがまれに、ひとつの実の中に丸い豆がひとつしか入っていないことがあり、これがピーベリーと呼ばれる。コナコーヒーの中でも最上級のコーヒーだ。

左:好きなテイストを見つけて、ショップで購入することが可能。
右:ピーベリーがあればぜひ試飲してみて。

ロイヤルコナ・ミュージアム&コーヒーミル
所在地 83-5427 Mamalahoa Hwy, Captain Cook, HI 96704
URL http://royalkonacoffee.com/

 ところで最近、コーヒー好きの間ではコナコーヒーに次いで「カウコーヒー」が人気という。そこでJINさんに、カウコーヒーが買えるお店に連れて行ってもらった。

2015.05.17(日)
写真提供=ハワイ州観光局