しまう場所は“ゴールデンゾーン”を意識して

 次に、「しまう場所」について。こちらはぜひ“ゴールデンゾーン”を意識しましょう。ゴールデンゾーンとは、脚立に乗ったりかがんだりすることなく、ものを手にとれる位置。苦労することなく出し入れできる場所。そこにはよく使うものをしまいましょう! 週イチ・月イチ使用のものは、この辺りにしまうといいですね。

 時々、そんな使いやすい位置に、ほとんど使わないトランクや、雛人形が陣取ったウォークインクローゼットを見かけます……。

こちらはしゃがむこともなく、立ったまま手に取れるボトムスの収納。ただかけるだけのパンツハンガーを使います。腰下にあるのですぐに取り出せます。

 年に1回使う程度のものや、迷っているもの、保管しておきたいものは、少々出しづらい場所に保管するといいでしょう。

 よく使うものとあまり使わないもの。どちらのアイテムも取り出しやすい工夫をしています。写真のパンツハンガーは、ただパンツを引っかけるだけのシンプルな作りなので、目当てのパンツをアクションいらずで手に取ることができます。

この写真では、少し背伸びして棚上のボックスに手を伸ばしています。これは、ゴールデンゾーンから外れた少々取り出しにくい場所。

 また、棚上のボックスには下の方に持ち手があるので、背の低い私でも手に取ることができます。ボックスを取り出して上から覗き込むというアクションは必要ですが、使用頻度の低いものであれば問題ありません。また、同じ棚の上でも、バッグを自立させて置けば、1アクションでバッグを手に取ることができますね。

 このように、どのようにしたら「楽に、アクションいらずで手にとりやすいか?」を意識して、収納場所や収納グッズを検討して下さい!

 収納グッズは、同じ場所では、色もしくは素材感などを揃えることも心がけましょう。「色を揃える」「素材を揃える(例えば天然素材に揃える、ポリプロピレンに揃える等)」「置く際の面や線を揃える」ということをすると、見た目も整いますので意識してみて下さいね!

鈴木尚子 (すずき なおこ)
ライフスタイルオーガナイザー。SMART STORAGE!代表。アパレル業界でデザイン、企画、人材育成に携わったのち、専業主婦に。第2子出産後、パーソナルスタイリングの仕事をスタート。その後、ライフオーガナイズを学び、日本ライフオーガナイザー協会マスターライフオーガナイザーとして、片付けと収納のアドバイスを行っている。また、クローゼットオーガナイザー認定講師として、洋服のスタイリングとクローゼットの整理収納術のセミナーも開催中。著書『もっと心地いい暮らし』(中経出版)に続き、初めて監修を手がけた絵本『ななちゃんのおかたづけ』(つがねちかこ・作/赤ちゃんとママ社)を2014年2月に、『ママと子どもの心地いい収納』(KADOKAWA/メディアファクトリー)を3月に、“子どもの片付け本”を2冊刊行。
公式サイト http://smartstorage.jp/
公式ブログ http://ameblo.jp/naowr

 

Column

鈴木尚子のもっと心地いい収納スタイル

CREAのインテリア特集に収納エキスパートとして登場し、“収納ベタ”読者にズバリ適切アドバイスを施した片付けのプロ、鈴木尚子さん。「実は片付けが大の苦手だった」鈴木さんが、結婚・出産を機に見つけ出した片付けの極意とは? 理想の空間や暮らしに近づいていく整理術とは? ご自宅のプライベートフォトを添えて、分かりやすくご紹介します。

2014.10.05(日)
文・撮影=鈴木尚子