旅館道 その3
「古代檜の湯殿に大間のマグロ、その地の贅沢を味わおう」

がっしりした古代檜の湯船の大きさに驚く。お湯は熱め。外の眺めを楽しみながら、ゆっくりと温泉を楽しみたい。
大きく張り出した月見台から緑に囲まれた池を望む。

「界 津軽」の温泉は、樹齢2000年を誇る古代檜の大きな湯殿に、800年の歴史を持つ温泉がなみなみと注がれている。外に張り出している月見台にはそのまま出られるようになっており、夜は月を愛でながら、昼は四季折々の美しい庭園の様子を眺めながら湯に浸かれる。冬には雪見の湯も楽しめる。

最初の一品、「大間マグロの羽二重づくり」は、柔らかめのご飯を酢と塩で〆たマグロで巻いて、ショウガのソースをかけたもの。食感と香りを楽しむ。

 地元の厳選された食材を使ったお料理は、旅館の楽しみの一つ。特に秋から冬にかけては、マグロの王様と呼ばれる大間マグロが献立にのぼる。盛りつけも美しく、素材を生かして作られたひとひねりある料理の数々を堪能できる。

「界 津軽流お造り」。毛ガニはカニ味噌も。ホタテは大根と数の子の食感が楽しい「ねぶた漬け」と合わせるなど、いい仕事のしてあるお造りが5種。
「大間マグロのねぎま鍋」は、出汁のなかにマグロの旨味が香り立ち、マグロの切り身がほくっとした贅沢な一品。

 次回は、「界 津軽」のさらなる楽しみ方をご紹介します(9/14公開)。

星野リゾート 界 津軽
所在地 青森県南津軽郡大鰐町大鰐字上牡丹森36-1
アクセス JR大鰐温泉駅からタクシーで約5分
電話番号 050-3786-0099(界予約センター)
URL http://kai-tsugaru.jp/

小野アムスデン道子 (おの アムスデン みちこ)
ロンリープラネット日本語版の立ち上げより編集に携わったことから、ローカルグルメや非日常の体験などこだわりのある旅の楽しみ方を発信するトラベル・ ジャーナリストへ。エアライン機内誌、新聞、ウェブサイトなどへの寄稿や旅番組のコメンテーター、講演などを通して、次なる旅先の提案をしている。
Twitter https://twitter.com/ono_travel

Column

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2014.09.13(土)
文=小野アムスデン道子
撮影=山元茂樹