ブロードウェイで心を揺さぶられた作品に、今度は演じる側として挑む吉沢亮さん。ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』への思いをはじめ、舞台に立つたびに感じる緊張や、あえて難しい役に惹かれる理由、そして大きな反響を呼び、興行収入200億超という記録的大ヒット映画『国宝』への率直な思いまで。飾らない言葉から、俳優という仕事に誠実に向き合う姿勢が見えてきます。


舞台に出演するときは毎回驚くほど緊張する

――以前からブロードウェイにも足を運ばれているそうですね。吉沢さんにとって、ミュージカルという表現の魅力はどんなところにありますか?

 ニューヨークにはちょこちょこ行く機会があって、そのたびにブロードウェイでミュージカルを観ています。今作『ディア・エヴァン・ハンセン』もブロードウェイで一度観ました。

 ミュージカルを好きになったきっかけは、『ラディアント・ベイビー~キース・ヘリングの生涯~』という、キース・ヘリングの生涯を描いた作品。実は、その舞台のオーディションを受けるにあたってニューヨークへ行き、キース・ヘリングの作品や人生についても勉強したんです。

 でも、結果は不合格。その後、日本版で主演を務められた柿澤勇人さんのお芝居を拝見したら、本当に圧倒されました。自分が受かるわけなかったな、と(笑)。これまで抱いていたミュージカルのイメージが覆るほどの演技で、「こんなにも魂を震わされるものなんだ」と衝撃を受けたんです。それ以来、ミュージカルは大好きですし、ずっと僕にとっては“憧れ”です。

――ミュージカルだからこそ感じる難しさや、やりがいについて教えてください。

 ミュージカルに限らず、舞台は毎回本当に緊張します。何公演あっても、いつも新鮮な気持ちでちゃんと緊張してる。だから、楽しいという感覚を味わう余裕は、正直あまりないんですが、その緊張感の中にいるからこそ得られる学びが舞台にはあります。舞台に立つとお客さんからは全身を観られますし、本当に嘘がつけない世界ですよね。

 今回は、自分がブロードウェイで観て心を動かされた作品を、演じる側として届けなきゃいけない。その責任も感じていますし、「やるしかない」と自分を追い込んでます。

――舞台では、映像作品とはまた異なるプレッシャーを感じますよね。

 映像作品だったら、僕が急に動きを止めても撮り直せばリカバリーできますが、舞台だとお客さんに「あれ?」と驚かれてしまいますよね。その違いはすごい大きいと思います。

 以前出演した舞台の本番中に急に声が出なくなってしまったことがあるんです。喉のケアのためにトローチを上顎に貼っていたのですが、それがのどに貼り付いちゃったみたいで。あれは本当に地獄でした。舞台上で、「今、夢みてるのかな?」と思うくらい、自分に起きていることを受け止められなくて。お客さんの熱がすっと冷めるのを感じて、「舞台に立つ人間がやってはいけないのはこういうことか」と実感しました。

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