映画『さとこはいつも』で、仕事も不倫も、どこか噛み合わない。そんな35歳の沙都子を演じた有村架純さん。俳優としての原点や暮らしのこだわり、美しさを保つ秘訣、旅のことなど、“等身大のいま”を語ってくれました。

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オダギリジョーさんの“思い切りの良さ”

――もともと、テレビでドラマを見ているとき、「このセリフ、私ならこう言う」と思ったことが、俳優を志すきっかけだったとうかがいました。17歳で上京して16年経った今、有村さんにとって“演じること”の源は、どこにあるのでしょうか。

 現場でみんなと同じ時間を共有して、一緒に毎日を乗り越えていく、その過程が好きなんです。もちろん、大変なこともたくさんあるし、「なんでうまくいかないんだろう」と、自分を不甲斐なく思う時もあります。

 でも、そういう時ほど、キャストの皆さんが必死に芝居と向き合っていたり、スタッフさんが朝から晩まで奮闘していたりする姿を見ると、「私も頑張ろう」と思えるんです。

 仕事の現場は、“みんなの輪”を大事にしたいと思っています。その輪の中で生まれたチームワークや、みんなの思いが、作品として世の中に出た瞬間に誰かに届く。画面の向こうで観てくれた誰かが、「おもしろかった」と言ってくれたら、それが一番の幸せです。原点は、テレビの前に座ってテレビドラマを見ていたあの頃。いまの源は、“現場で一緒に作る人たち”です。

――今回主演を務める『さとこはいつも』は、35歳の沙都子=有村さん、55歳の里子=石田ひかりさん、15歳の聡子=姫野花春さん、年代も背景も違う“3人のさとこ”が描かれます。現場では直接ご一緒する機会はほとんどなかったと思いますが、演じる上で難しさはありましたか? 石田さん、姫野さんとは役作りについて話し合いましたか?

 3人で役作りを擦り合わせることはありませんでした。むしろ、「ほかの2人のさとこを見るのが楽しみ」とみんなで言い合っていたんです。なので自分の沙都子を演じる時は、自分以外の「さとこ」のことは意識しませんでした。

 ただ、共通しているのは「さとこ」という名前。漢字は違っても、同じ名前の人がいる。

 私も「カスミ」で、世の中には同じ名前の「カスミさん」がたくさんいるんですよね。同じ名前なのに、歩んでいる人生はまったく違う。

 たとえば、今日映画館に行こうと思って席に座る。同じ日の、同じ時間に、同じ理由でここにいる「カスミさん」が何人もいる。

 そう考えると、なんだかすごくロマンチックだな、と思うんです。

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