1988年に完成して、トントンたちが入居
解体される東園の旧パンダ舎は、上野動物園の「第2代パンダ舎」だ。「初代パンダ舎」は1973年3月末に完成した。初めてパンダが来た1972年10月28日よりも遅いのは、同年9月29日の日中国交正常化によるパンダの来日決定から約1カ月しかなく、パンダ舎の建設が間に合わなかったため。中国から来たランラン(蘭蘭)とカンカン(康康)は、パンダ舎ができるまで、改造されたトラ舎で暮らした。
初代パンダ舎は老朽化し、また、トントン(童童)が生まれ育って狭くなったため、初代パンダ舎の近くに、第2代パンダ舎が1988年4月11日に完成した。資金面では、日本宝くじ協会の助成を受けている。『つなぐ――上野動物園ジャイアントパンダ飼育の50年』によると、最初に引っ越したのはオスのフェイフェイ(飛飛)と娘のトントンで、完成から2日後の4月13日に入居。メスのホァンホァン(歓歓)は、同年6月23日に出産した息子のユウユウ(悠悠)と一緒に、翌年の1989年3月13日に引っ越した。
後にリンリン(陵陵)もこのパンダ舎で暮らしたが、リンリンが2008年4月30日に息を引き取ると、ジャイアントパンダがいなくなった(レッサーパンダを入れていたことはある)。
屋外放飼場の樹木は残す
その後、パンダが再び来園すると決まったため、都はパンダの受け入れに向け、パンダ舎の内装や設備を改良する改修工事を2010年10月1日に開始した。2011年1月には、中国から来日した担当者の指摘に対応。例えば、運動場(屋外放飼場)の壁面からパンダが脱出する危険を指摘され、全ての運動場の壁面に上下2カ所の電柵を設置した。こうした対応の結果、検査・検収は合格となり、改修は1月末に完了した。
改修では、竹林をイメージしたエントランスも整備して、新たにタイル製の5頭のパンダをあしらった。隣には、石造りの通称「逆立ちパンダ」を設置している。逆立ちパンダは、このパンダ舎が建設された1988年から上野動物園にあり、改修で目につきやすくなった。
