地域食材を使った薪火フレンチ
そして、宿泊の楽しみのひとつが、メインダイニング「モン レストラン」での食事です。それまで村になかった薪火フレンチを提供。野沢温泉をはじめ、地域で採れた食材を多く使用した地産地消の料理、ローカル×フレンチが楽しめます。
厨房で腕を振るうのは、東京・代々木公園『パス』の料理長だった寺島惇シェフ。隣接する飯山市のナラの木を薪に使用。シェフ自ら薪割りを行って、日々おいしい料理を生み出しています。
「モン レストラン」のディナーでは、全8品のコース料理を提供。どのような料理が登場するのでしょうか?
例えば、信州の郷土料理のひとつであるおやき。「モン レストラン」では一度蒸してからフライパンで上下に焼き目をつけて提供されます。季節によって具材を変えることも特徴で、5月下旬の取材時は春キャベツと野沢菜、信州地鶏を煮込んでリエットのようにしたものが中に入っていました。
皮はジャガイモと同量の生地の粉を混ぜて作られているため、ニョッキのような食感に。熱々で香ばしいレストラン仕立てのおやきになっています。
サーモンベースのシグネチャーメニュー
モン レストランのシグネチャーメニューが「信州サーモン 甘夏 ヨーグルト」です。ヨーグルトソースをベースとした少し酸味の効いた信州サーモンのタルタルで、その下には薪火でまる焦げにした雪下にんじん、サーモンは生のものと火入れしたものが両方入っています。
さらにはIPAビールシロップや自家製マヨネーズも入っていて、皿全体を混ぜて食べると、ヨーグルトの酸味と甘夏の甘み、さらには火入れしたサーモンの香ばしさが絡み合う、まさに絶品のひと皿に。
「鯉 山うど 芹」は、海のない内陸県で、鯉を食べる食文化のある長野県らしさを感じられるメニューです。鯉と山うど、芹を抱き合わせて春巻きにしたもので、卵黄酢味噌につけていただきます。この地域では鯉のアラや刺身は卵黄酢味噌で食べる文化があるため、それに倣いつつも、からしと酢の代わりにマスタードと白ワインビネガーを加えてフレンチ風に。
上にのったつぶつぶは、ティムールペッパーを細かく削ったもので、レモングラスのようなスパイシーな香りがアクセントになっています。
しっとりとした信州和牛に実山椒が新鮮
メインに登場したのは、薪火でじっくりと焼かれた信州和牛のもも肉。葉玉ねぎと原木椎茸、朝採れのルッコラがつけあわせに。肉には自家製の花椒塩や実山椒をつけていただきます。
しっとりとした和牛の肉は、ピリリとした実山椒と合わせることで、さわやかな風味を纏います。つけ合わせの葉玉ねぎの甘みや椎茸の香ばしさも素晴らしく、肉をベースにさまざまな味の組み合わせを楽しめるところも魅力です。
デザートに登場したのは、燻したイチゴを使ったバシュラン。菜の花のハチミツを使った、なめらかなアイスクリームが添えられていました。そして、このあとにチーズケーキも登場。上に軽くかかった塩が甘さを引き立てる、技ありのひと品がラストを飾りました。
