余白のある「わからないムービー」

――なんでバナナなんでしょう? バナナしかメニューにない店、バナナの歌……作品のいろんなところに出てきます。

 (チラシのキャッチコピーを見ながら)これ、ずるいですよね(笑)。「わからないムービー」って。僕自身もコメントで「皆さんの感性で完成されます」と言っているんですけど(笑)。

 でも、何事にも明確な答えや意味が求められがちな今の時代だからこそ、こういう“余白”のある作品があってもいいのかなと思うんです。観客の皆さんのなかには、これまでさまざまな映画やアートに触れてきて、一見すると理解しづらいものや摩訶不思議なものも、そのまま受け止めて楽しめる柔軟な感性をお持ちの方がたくさんいらっしゃると思います。そういう方々には、きっと面白がっていただけるんじゃないでしょうか。

 もちろん、ただ突拍子もないだけの作品ではなくて、思わずキュンとする場面や、くすっと笑ってしまう場面もあります。ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、少しSF的な要素もありますし、チラシに書かれている「戦争反対、バナナ賛成」というコピーのように、予想外の驚きも詰まっています。とにかく不思議で、面白い作品なんですよ。

――なんでも「こうあるべき」という決めつけずに、オープンマインドで観るのが良いですよね。

 そう言えば、僕のラジオ番組(TOKYO FM「THE TRAD」)にゲストに来てくれた、アーティストのマイカ・ルブテさんから、「人間とバナナの遺伝子って50%ぐらいは共通してる」っていう話を聞いたんですよ。だから気楽にいこう、みたいなことを彼女が言っていて、それがすごく面白いなと思って。チンパンジーに至っては遺伝子が人間と98%くらい同じらしいから、たいしたことではないのかもしれないけど、「バナナと人間の遺伝子が半分くらい共通している」って言葉にすると面白いじゃないですか。リンゴだとアダムとイブを思い出してしまうけど、バナナってちょっとコミカルでいいですよね(笑)。

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稲垣吾郎(いながき・ごろう)

12月8日生まれ。1991年CDデビュー。2017年に「新しい地図」を立ち上げる。2010年に映画『十三人の刺客』で第23回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞助演男優賞、第65回毎日映画コンクール男優助演賞を受賞。2019年には『半世界』で第31回東京国際映画祭観客賞、第34回高崎映画祭最優秀主演男優賞を受賞。その他の出演作に『海辺の映画館─キネマの玉手箱』(20年)、『窓辺にて』(22年)、『正欲』(23年)、『風よ あらしよ 劇場版』(24年)、『あんのこと』(24年)など。

映画『バナ穴 BANA_ANA』

出演:稲垣吾郎 草彅剛 香取慎吾
ファーストサマーウイカ 趣里 / 葉山さら 水野響心 鄭亜美 / 古舘寛治 小澤征悦 吹越満

監督・脚本:山内ケンジ
製作:CULEN ギークピクチュアズ 制作プロダクション:ギークピクチュアズ
配給:CULEN ギークピクチュアズ 
全国順次公開中
(C)2026 BANA_ANA Film Partners

https://bana-ana.com/

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