JR鴫野駅は、京橋駅からたった1駅なのに、その煩雑な賑わいが嘘のよう。駅前の今里筋の東側には、昔ながらの八百屋さんや衣料品店、電気屋さんなどが並ぶ商店街もあります。自転車が走り抜けていったり、近所の住人同士が笑顔で立ち話をしていたり。歩くだけで、なんだか懐かしい気分になれる街。
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/1/-/img_c1a8271d18e128a5dc1ea8dba1587a3282649.jpg)
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/8/-/img_78d9e07c96a5aa1ba2d0369f05954eda37919.jpg)
『ひだまり菓子店』は、そんな商店街のアーケードを抜けた所、幼稚園の向かいに、2007年6月オープン。お店の表には、営業時間や曜日別のお菓子のメニューが手書きされた黒板や、古びて味わいのある小物がさりげなく置かれています。
「昭和40年の建物を改装しました」とお店を営む中道友理子さん。店内は、木製のショーケースにお菓子が並べられ、アンティーク雑貨が棚や窓辺に飾られて、ほっこり温かみのある雰囲気。イートインできるコーナーの古い木の椅子も素敵です。まるで、何十年も前からこの街にあるお店のよう。
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/b/-/img_2b433dd34854f944491d40e63b73450486727.jpg)
右:店内の奥にあるカフェコーナー。ひとりでも落ち着けます。
「お店をするのが小さい頃からの夢でした。OLとして働いている時もお菓子の学校に通ったり、家でずっとお菓子を作ったりしていました。スタッフとしてケーキ店の立ち上げから10年働いて、自分の作りたいお菓子のことを真剣に考えるようになりました」
中道さん自身が好きなのが、タルトやスコーンなど、一見地味な焼き菓子。それは、毎日でも食べ飽きないお菓子でした。
「ムース系やデコレーションケーキなど、特別な日のためのケーキではなく、普段のおやつに食べるような素朴なお菓子が並ぶお店にしようと思いました。地元でもある下町に馴染んで、周辺に住む人に親しんでもらえるお店にしたかった」
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/7/-/img_27bb9f6b61daaab47c85ec7b0d6d734f53819.jpg)
右:木製のショーケース。
![](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/0/-/img_50faa36f9593ead26a142cfbe0e3959c39963.jpg)
<次のページ> 「表面はカリッ、中はしっとり」の理想をめざして
2014.08.10(日)
文・撮影=そおだよおこ