ガンダム、BASARA、イナズマフェス! 情報多すぎる問題

 ざっくりと、本当にざっくりと彼の経歴を記してみる。1996年、メジャーデビュー。1997年、「HIGH PRESSURE」でブレイクし、「WHITE BREATH」でミリオンセラー達成。2002年以降は『機動戦士ガンダムSEED』第1期の主題歌「INVOKE」をはじめ、シリーズを通して作品に関わり、運命級のハマり具合を見せ、2005年からはゲーム『戦国BASARA』シリーズ、2010年にはアニメ映画『劇場版BLEACH 地獄篇』の主題歌を担当し、ファンタスティック爆発級の歌唱力が炸裂。作品のファンたちからも熱い支持を得た。2013年には水樹奈々×T.M.Revolution名義の「革命デュアリズム」で紅白歌合戦出場。その歌唱力と声量で、全茶の間の度肝を抜いた。

 歌だけではない。2008年、初代「滋賀ふるさと観光大使」に任命され、2009年、滋賀県初の大型野外フェス『イナズマロック フェス』を企画、スタート。2016年、株式會社突風を設立、ネーミングセンスの素晴らしさを世に知らしめた。2017年、ついに西川貴教名義で活動開始。ごふっ、一旦給水タイムを取ります(←水を飲む)。

 2020年には滋賀県文化功労賞受賞&引き締まった美ボディを競い合う「BEST BODY JAPAN日本大会」に出場し、モデルジャパン部門のゴールドクラスで優勝。2026年には『イナズマロックフェス』の名称を、「『ロックフェス』という名称に縛られず、多種多様な皆さんに気兼ねなく出演頂く為」という超誠実な理由で、『FEST. INAZUMA(フェスト イナズマ)』に刷新――。

 いやもう、ほんの一部抜粋でこの濃さ、情報量どないなっとんねん(汗)。ヒット曲だけでもすごいのに、歌以外の活動と功労もガンガンに入っている。

 思い返してみれば、私が彼を初めて知った歌番組『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』でも、素晴らしい歌声を響かせるだけでなく、司会のお笑いモンスター、ダウンタウンを前に委縮せずモノ申し、ノリツッコみ、ドッカンドッカン笑いを取っていた。しかもその高いテンションを長年貫いており、ただの調子のいいあんちゃんではない、ストイックな人なのだろうと思っていた。経歴からも、地頭がよくて視野が広く、すごく繊細なお人柄が見えてくる。

「陽炎-KAGEROH-」の衝撃

 さて、T.M.Revolutionの楽曲を決して多く知っているわけではない私だが、いまだ特別な感情を持って繰り返し聴く1曲がある。

 それが1999年リリースの「陽炎 -KAGEROH-」。名義はT.M.Revolutionではなく、「the end of genesis T.M.R. evolution turbo Type D」。長い。ロングロングネーム……! 彼はやはり情報量が多い。しかもこれは当時、西川貴教さんがT.M.Revolutionとしての活動を一旦封印し、新たに始動したニュープロジェクトだったそうだ。

 「陽炎-KAGEROH-」は、世紀末と新時代の狭間のシフトチェンジの瞬間というのだろうか、ものすごく限られた時間と風景が見えて、一瞬で惹き込まれた。霧の向こう側の景色がうっすら見えるような、不思議な救いを感じられたのだ。組曲のような美しいメロディと、力強さと哀しさが混在した西川さんの表現力と声でしか描けない「ゾーン」。今でも猛烈に聴きたくなる……いや、“迷い込みたくなる”。

 もともと、強風だったり稲妻だったり、激しい自然現象が似合う西川さんだが、ふと、足がすくむような静寂と美しさも連れてくる。

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