「キングオブコント2021」で準優勝、「M-1グランプリ2022」でファイナリストに輝いた実績を持つお笑いコンビ・男性ブランコの浦井のりひろ。浦井は玉田企画の玉田真也が演出した舞台『天才バカボンのパパなのだ』に出演し、両者は演劇のフィールドで初めて交わった。

 続いてこの度、玉田たっての要望により、玉田企画の新作公演『光る』に浦井が俳優として参加することに。演劇とお笑いの違いや浦井の俳優としての魅力から、新作のヒントになるような話、演技論、演出論まで、ふたりに語ってもらった。

» 「玉田さんの脚本に挑戦してみたかった」
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「玉田さんの脚本に挑戦してみたかった」

――おふたりのファースト・コンタクトは、玉田さん演出で浦井さんが出演された舞台『天才バカボンのパパなのだ』ですか?

浦井 そうです。その時に玉田企画の過去の映像を見せて頂いて、お世辞抜きになんて面白いんだろうと思って。その後、昨年の『地図にない』という公演に男性ブランコとして終演後のトークのゲストに呼んで頂いて。だから、玉田さんの脚本に挑戦してみたいとはずっと思っていたんです。 今回声をかけて頂いて、めちゃくちゃ嬉しかったですね。

玉田 僕はてっきり断られるかと(笑)。お忙しいでしょうし。ダメもとで打診したら出て頂けることになって嬉しかったです。

――『天才バカボンのパパなのだ』は大変な役だったようですね。

浦井 そうですね。僕は学生の時に演劇サークルにいたこともあったんですけど、『天才バカボンのパパなのだ』はなかなか難しい役で。80分ハケ(舞台袖に出ること)がなかったんですよ。学生時代の経験は全然役に立ちませんでした(笑)。

――玉田さんから見て、俳優としての浦井さんの魅力とか個性ってどういうところですか?

玉田 色々あるんですけど、浦井さんって声がめっちゃいい。すごく特徴的な声だと思うんですよ。 昔の局アナみたいというか。今のラフな雰囲気の局アナとかじゃなくて、昔のテレビとかに出てくる、カチッとした男性の局アナいるじゃないですか。そういう雰囲気の声。これなかなか持ってる人いないんですよ。だからかなり強く、その声のイメージを頼りにあてがきしようって思いました。声ってその人のキャラクターを掴むうえでめちゃくちゃ重要なので。

――浦井さんは、玉田さんの演出ってどういう特徴があると思います?

浦井 すべての演技に正解があるうえで演出されている気がしますね。 例えば、このセリフはこのトーンで言うのがいちばん面白いっていう正解を、全部のセリフに持ってらっしゃるというか。だから僕はそれに合わせて素直に出力するだけなんです。演出によって演劇はすごく面白くなるんだっていうのは、『天才バカボンのパパなのだ』の時にも学ばせてもらったことですけど、あらためてすごいなと。

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