パルコ・プロデュースの舞台、シェイクスピア作品『リチャード三世』で初の悪役・リチャード三世に挑む吉田羊さん。嫉妬や憎しみといった“見せたくない感情”を演じるなかで見えてきたものとは。これまでとは真逆の役に向き合うなかで見えてきた、意外な内面に迫ります。
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観客との共犯関係さえも欺く、主演舞台『リチャード三世』
――“シェイクスピア×森新太郎×吉田羊”シリーズでは初となる悪役を演じられるそうですが、『リチャード三世』にかける今の気持ちを教えてください。
本シリーズの完結編にふさわしい作品になるように頑張りたい、というのが今の率直な想いです。
今作を私は、リチャード三世の壮大な復讐劇だと思っています。作品を通じてリチャード三世という人物と向き合ってみると、己の中にある弱さをねじ伏せて、必死に自らの人生を奮い立たせているような印象を受けました。
彼は誰に対しても大芝居を打つのですが、それが嘘か誠かわからない……、シェイクスピア作品では主人公が観客と共犯関係を結んでいくのが常ですが、今回は共犯関係を結びながらも、時折、観客さえも騙していくような展開が待ち受けていると思います。
――舞台に立つ方にとって、シェイクスピア作品には特別な魅力があるのでしょうか?
そうですね、役者をとらえて離さない魅力が、やはりあると思います。シェイクスピアの作品は難解だと言われたりもしますが、私自身、簡単に答えが見つからないものが、きっと好きなんでしょうね。演出家やキャストが知恵とアイデアを持ち寄っても太刀打ちできない、そういったものの答えを探る作業がとても楽しいんです。
やっと答えを見つけた! と思ったら、その先にもう一つ扉があって、また頭を抱えてしまう。そんなふうに、作品の中で永遠に遊んでいられることが、私にとってはこの上ないご褒美です。
