ミレーが大事にする3つの価値観とは
多くの人を自然の中へ導き、感動体験をしてもらう。そのミッションを果たすため、ミレーが大切にする価値観には3つの柱があるという。
プロのガイドと磨く、信頼のプロダクト
「1つ目は、人々を山へ導くこと。そして安全に山を楽しめるようにすることです」
登山は自然と向き合うアクティビティだからこそ、装備の信頼性は欠かせない。ミレーはフレンチアルプスの麓・アヌシーに開発拠点を構え、製品開発を行っている。
「私たちは社内でプロトタイプを作り、それを必ずフィールドに持ち出してテストします。またフランス・シャモニーガイド協会とパートナーシップを結び、約200人の山岳ガイドに日常的にミレーのウェアを着用してもらっています。ガイドたちが毎日のように山に入り、その中で得られるフィードバックを反映しながら、常にプロダクトを進化させているのです」
未来のフィールドを守るために
「2つ目は、山に貢献すること。登山人口が増えている今、山の保全はとても重要です。100年後も人々が山に行けるように守り続けなければなりません」
さまざまな取り組みを行うなかで、ロマン氏が例に挙げたのが“氷河”の保全だ。
「地球温暖化の影響で、ヨーロッパやヒマラヤ、日本でも氷河は急速に融解しています。そしてそのことは、単なる山岳環境の問題に留まりません。じつは、世界人口の半分、つまり2人に1人が氷河の消失によって何らかの影響を受けると言われています」
氷河は多くの地域で水資源を支え、海流や気候の循環にも影響する。たとえばヨーロッパが温暖である理由も、海流の自然循環によって成り立っているのだという。
「だからこそ、氷河が失われたあとも自然環境が守られるよう、政治的な働きかけも行っています。氷河が溶けた土地に、誰かが5つ星ホテルを建てるようなことがあってはいけません」
100年ブランドを支えるファミリースピリット
3つ目のポイントは、これらすべてをファミリースピリットとともに行うこと。
「多くの他の企業、特にアウトドア業界とは異なると思いますが、企業活動すべてがファミリースピリットとともに行われているということです。私は4代目ですので、長い家族の歴史があります。そして私は、家族経営は、おそらく他の株主構造よりも、永続的なビジネスモデルを構築できると信じています」
安全に山を登るための製品開発と、フィールドの保全、そしてファミリースピリットの3つの柱が、ミレーの基盤となっているのである。
