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「花を愛でたい」人におすすめの盆栽3つ

◆長寿梅

 “梅”と名付けられてはいるが、実際は木瓜(ボケ)の仲間。四季咲きのため、一年を通して花を楽しめる可能性がある。

 水切れに弱いため、水は土の表面が乾いたらたっぷり与える。剪定は“伸びた分だけ切る”のが基本で、咲き終わった花(花がら)を摘み取ることも忘れないで。

“鉢合わせ”のポイント

あよお金澤尚宣さんの鉢:「緑、赤、ブルーと色彩豊かな盆景。四季咲きの長寿梅の彩りが一層引き立つことを考えました」(鈴木さん)

新里竜子さんの鉢:「色味は控えめでも、個性的な形の鉢を選ぶことで、長寿梅のリズムが際立ち、どこか異国情緒を感じませんか?」(鈴木さん)

◆黄梅

 こちらも“梅”と名づけられているが梅ではなく、ジャスミンの仲間。2~4月にかけて鮮やかな黄色い花を咲かせ、満開時にはブーケのように華やかになる。

 湿度に弱いため、水のやりすぎには注意が必要。剪定は花が咲いた直後に行うのが基本。

“鉢合わせ”のポイント

「淡い色の鉢を選ぶことで、朝焼けや夕焼けをイメージしました。あなたはどちらの時間を想像するでしょう? 右へ右へと伸びる黄梅の余白を活かすことも意識しています」(鈴木さん)

◆藤

 4~5月にかけて美しい房状の花を咲かせる「藤」。棚につるを絡ませた藤棚がよく知られているが、盆栽でも楽しむことができる。

 花が終わると葉が旺盛に伸びるため、間引いたり、不要なつるは根元から剪定するなどのお手入れが必要。咲き終わった花は早めに摘み取り、樹木の体力が消耗するのを防いで。

2025.07.24(木)
文=河西みのり