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「枝葉の変化を味わいたい」人におすすめの盆栽3つ

◆モミジ

 新緑から紅葉、さらに落葉と一年を通してダイナミックな変化で楽しませてくれる「モミジ」は、枝葉の変化を味わうには最適の樹木。葉がすべて落ちた後の樹形がくっきりと見える姿も見どころのひとつ。

 強い日差しや乾燥に弱いため、水と肥料を与え、明るい日陰で育てるのがベター。剪定は落葉後(11~2月頃)に行う。

“鉢合わせ”のポイント

河合竜彦さんの鉢:「盆栽には珍しい白の鉢を選んでみました。モミジから秋風の空気感を連想していただけたら嬉しいです」(鈴木さん)

菊池亨さんの鉢:「実はモミジの葉の形は力強く、個性的でグラフィカルな鉢とも相性が良いという発見をしました」(鈴木さん)

◆ニレケヤキ

 別名「アキニレ」とも呼ばれる「ニレケヤキ」は、街路樹でもおなじみの樹木。通常のケヤキよりも枝葉が細かく、葉がすべて落ちた後のシルエットも美しい。暑さや寒さに強く、比較的育てやすいのも魅力。お手入れは日当たりと風通しの良い場所に置き、適度な水やりを。

“鉢合わせ”のポイント

「小さなニレケヤキを大木に見立てるために、小さな鉢を選んでいます。鉢をポップにすることで盆栽の楽しみ方が広がるかもしれません」(鈴木さん)

◆イワシデ

 樹齢を重ねるほどに幹が白くなり、独特の筋模様が現れる「イワシデ」も紅葉が楽しめる樹木。漢字で「岩四手」と書くように、岩場などでも育つ強い生命力がある。

 水分を好むため、こまめな水やりが必要。また、肥料を与えすぎると枝が育ちすぎて枯れてしまうため、こちらも要注意。

“鉢合わせ”のポイント

「ダンスしているような個性的な幹だからこそ、存在感のある鉢も主張が強くなり過ぎず、むしろ引き立て役になると思います」(鈴木さん)

2025.07.24(木)
文=河西みのり