この記事の連載

勇征くんには運命的なものを感じる

 

――俳優として先輩でもある八木さんは、中島さんにとってどのような存在ですか?

 お互いにないものを補い合っている存在というか関係性です。それはボーカルとしてもそうなのですが、勇征くんは僕が出演しているドラマを見てくれているんです。僕も勇征くんの出演作をほとんど見ていて、「このシーンが良かったね」と話し合っています。

 そういう意味でも、ちょっと運命的なものを感じています。もちろん、勇征くんは「おっパン」も好きで、「映画が公開されたら、絶対に観に行く」って言ってくれています。

――今年3月に公開された映画『顔だけじゃ好きになりません』では、髪型も含めミステリアスすぎるヒロインのクラスメイト・土井垣凌を演じられました。

 ドラマの「おっパン」の後に、映画『逃走中 THE MOVIE』があって、『顔好き』はその後の撮影だったのですが、ちょうど2024年のツアー真っ最中でした。これまで演じたことのない役柄でしたが、「おっパン」を見てくださった方がキャスティングしてくださったんです。

 これまで青春胸キュン、キラキラ系の作品に出演したことがなかったのですが、土井垣くんもすごく魅力的で、沼る男。自分の好きなものを貫く姿勢に憧れている役でもあったので、「おっパン」に似ている印象がありました。途中まで、ずっと髪で顔が隠れている役どころなので、撮影中は長く伸ばした地毛と強風との戦いでもありました(笑)。

――FANTASTICSメンバーとして、また中島さん個人として、今後の希望や展望を教えてください。

 FANTASTICSとしては、常に全国ホールツアーを回りつつ、アリーナツアーやドームツアーもできるアーティストになりたいです。あとは誰もが知っている、口ずさめるようなヒット曲を出せることが、いちばんの目標です。

 それでいろんな方にグループを知ってもらう手段として、俳優業やラジオパーソナリティといった個人での仕事もやらせていただいていますが、いろんな方面で自分の好きなことができています。自分の好きなものを形にできたらと思っているので、中島颯太としては趣味のカメラが何かに繋がればいいなと思います。

 あと、大きなテーマやコンセプトというより、人間の微妙な感情を表現するヒューマンドラマに出演して、観た人に共感してもらいたい。オムニバス映画『AT THE BENCH アット・ザ・ベンチ』のような何気ない日常を切り取った作品に惹かれます。

2025.07.08(火)
文=くれい 響
写真=平松市聖
ヘア&メイク=朴映宣(Luana)
スタイリング=中瀬拓外