母と一緒に事務所に行くとすずちゃんがいて……
――芸能界入りについて、ご家族とはどんなお話をされましたか?
鈴鹿 僕も家族も、芸能界を詳しく知らず、あまりにも遠い世界だと思っていたので、そこに自分が入るのを想像したこともなかったんです。もし、お話を聞いてお仕事をするとなっても、親からは「大学には行きなさい」と。当時、高校2年生の11月で福岡か神戸の大学を考えていましたが、東京の大学に進学することを条件に親がOKを出してくれて。大学に通いながら芸能活動をしてみて、就活をするときに芸能界が楽しいと思えば続ければいいし、そうじゃないと思うなら芸能界を辞めて、就職すればいいと選択肢をくれました。

――広瀬さんとは東京の事務所で再会されたそうですね。
鈴鹿 翌年2月くらいです。母と一緒に事務所に行くとすずちゃんがいて、仕事の合間に顔を出してくれたんです。まだ事務所に入るか決めてなかったのですが声をかけてくださって。ちょうどバレンタインの日だったので、すずちゃんからチョコも頂きました。すずちゃんは僕より年齢がひとつ上でほぼ同世代なのですが、既に芸能界で活躍されていたし、すごく大人っぽく感じました。
――その後、高校を卒業して東京の大学に進学し、事務所にも所属。大学生活は課題や勉強も忙しかったそうですね。入学した年の秋には、MEN’S NON-NOの専属オーディションを受けることになりました。
鈴鹿 MEN’S NON-NOは今まで阿部寛さんをはじめ、そうそうたる方々が活躍されてきて、当時は坂口健太郎さんが現役で出られているなかで、「大丈夫かな……?」と思いながらも、まずはチャレンジしてみました。最初は「受かったらいいな」くらいの気持ちだったのですが、2次審査が受かった頃から「最後まで残りたい」と真剣に思い始めて。2次審査では白いタンクトップに青い短パンだったんです。普段しない格好でしたが、MEN’S NON-NO側が用意してくださって、慣れないながらもみんな同じ格好しているし頑張ろうって参加しました。
2025.05.17(土)
文=松永 怜
撮影=石川啓次/文藝春秋
スタイリング=松川 総
ヘアメイク=TAICHI NAGASE(VANITÉS)