「市原湖畔美術館」でアートとともに贅沢なひとときを過ごす〈高滝駅〉

房総の恵みを堪能した後は、PIZZERIA BOSSOと同敷地内の「市原湖畔美術館」でアート鑑賞を。国内外の現代美術を中心に、絵画や彫刻作品などを展示するほか、地域に開かれたワークショップなども定期的に開催。市原市が掲げる「アートによる地域づくり」の中核を担うユニークな美術館です。


常設展示室では、日本を代表する版画家であり、市原市名誉市民である深沢幸雄の作品を中心に収蔵展示を行っています。銅版画から始まり、版画・ガラス絵・パステル画・書など幾度かその作風を変化させながらも、一貫して「人間」をテーマに制作した深沢氏の作品約500点が美術館に収蔵され、その一部を会期ごとに鑑賞することができます。

エントランスに設置されている肺胞を逆さまにしたような作品「Heigh-Ho」。モヤモヤした気持ちで美術館を訪れた人も、アーティストによる作品を観てスッキリとして帰ってほしい、モヤモヤ(二酸化炭素)とスッキリ(酸素)を交換するという思いが込められているそう。

天空の彼方から億光年の光のカタマリが飛んできたというイメージで制作されたオブジェ「飛来」。のんびりと刻々と変わる陽の光とともに楽しむことができます。鉄製の部分の錆は自然と共存して時を経ている証。ここから何十年と経ち、どのような作品に変化していくのでしょうか。

屋外にも複数点の作品が展示され、周囲の風景とアートが一体化しているところもこの美術館の魅力。季節やその日の天候、時間帯によって作品から受ける印象が変化するのもおもしろい。お気に入りのアートをじっくり鑑賞するのも、自然と調和したアートをぼんやり眺めるのもよし。自由で贅沢な時間を過ごせます。

市原湖畔美術館
住所:千葉県市原市不入75-1
開館時間:平日10:00-17:00、土・祝前日9:30-19:00、日・祝9:30-18:00
休館日:月曜日(祝日の場合は、翌平日)、年末年始、メンテナンス休館
入館料:展覧会によって異なります。詳細は、各展覧会情報をご確認ください。
電話番号:0436-98-1525
公式HPはこちら
小湊鉄道沿線のアートとグルメを満喫できるスポットはいかがでしたか。日帰りでも気軽に巡れるコースですが、宿泊をして、じっくりと市原市の魅力に触れるのもおすすめです(高滝湖周辺にはグランピング施設、もう少し足を延ばして養老渓谷は温泉宿も)! 里山の美しさが際立つ春の市原、お出かけ候補にぜひ。

2025.03.27(木)
文=上野 郁
写真=大森 光太郎、上野 郁