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10年過ごした家族に手放されたシリウス「切り替えて幸せにしてあげたかった」
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――動物はどうしても赤ちゃんなどが注目されがちですが、老いた猫ちゃんもすごくかわいかったんじゃないですか。
本当にそうですね。シリウスは帰ってくると迎えに来てくれますし、ご飯を食べていると僕と奥さんどちらかの隣にいて。甘えん坊ですごくいい子でした。10歳で引き取ったので看取る覚悟はできてましたけど、シリウスの立場で考えたら辛いですよね。だって、10年くらい一緒に暮らした人に10歳で手放されたんですから。
だからこそ、幸せな人生にするために(環境を)切り替えてあげたかったし、今を幸せにしてあげたいっていう気持ちが強かったですね。
――老いたペットを飼育放棄してしまうという悲しい例もたくさんあります。
ペットって言い方も含めてですけど、僕たちは動物をちょっと下に見ちゃうところがあるように感じます。ペットショップで買えてしまうので、「子どもが飼いたいと言ったから飼ってみた」っていう人も多いんでしょうね。だけど、本当はもっと先のことを考えた上で迎え入れるかどうかの決断をしたほうがいいし、さらに言えば動物について勉強してから迎え入れたほうがいいと思います。
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――2019年にシリウスくんを亡くして6年の月日が経とうとしています。お子さんも生まれました。また動物と暮らしたいという思いはありますか?
縁があれば、ですね。今までも自分から飼いたいと思って迎え入れたことはないですし、子どもが今後飼いたいと言っても、ちゃんと知識を学んでもらって納得できない限りは迎え入れることはないと思います。すべての動物に寿命がありますけど、それは1年とか2年じゃない。わんちゃんや猫ちゃんなら2桁の年月がかかることをわかった上で、一緒に暮らせるかどうか決めないと。
今うちの娘は4歳なんですけど、もし今0歳のシリウスを迎え入れたとしたら亡くなる頃、娘は20歳になる。相当な年月を一緒に暮らすことになるので、ちゃんと考えたいと思っていますね。
――では、改めてシリウスくんはあらぽんさんにとってどんな存在でしたか?
まったくテレビに出てない頃から一緒にいたので、友達みたいな感じでしたね。シリウスにはいろんなことを話しかけてたんですよ。返ってはこないですけどね。例えば、「仕事、今のやり方で大丈夫なのかな?」とか普段言えないことを聞いてもらったりして。だから友達。本当にいい子でしたね。
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あらぽん
1985年生まれ、東京都足立区出身。保育園の幼馴染であるみやぞんと2007年にお笑いコンビ・ANZEN漫才を結成。2024年にコンビを解散し、現在はひょうたんを加工したアート作品制作に注力している。2024年4月、「ひょうたんの町」として知られる神奈川県大井町の「ひょうたんアンバサダー」に就任。
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http://asaikikaku.co.jp/news/event/31489.html
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Column
お笑い芸人の“うちの子”紹介
今をときめくお笑い芸人たちが愛すべきペットとの生活を語ります。飼い始めたきっかけやその子のチャームポイント、可愛い! と思う瞬間や彼らとの暮らしのなかで気づいたことなど、たっぷり語ってもらいました。しゃべれども、しゃべれども、ペットへの愛は尽きないようです。
2025.02.22(土)
文=高本亜紀
撮影=鈴木七絵