釣りに夢中になった理由
――どれくらいの頻度で釣りをしているのですか?
原 毎日少しでも時間があれば釣りに行っています。早朝から釣り船を予約して7~8時間くらい釣りをしたら、移動して「陸っぱり」で堤防からずっと釣りをして、何時間やっても平気ですね。おじさん達に混ざって1人で釣り船に乗ると、船長さんに「お姉ちゃん1人? すごいね」と言われます。元から外に出てアクティブに活動するのが大好きだし、病気になってからは我慢ばかりしてきたので、今は鬱屈していたものを発散しているところです。

――周りの方の反応はいかがですか?
原 皆に異常だと言われます(笑)。お金は飛んでいくし、下手をしたら人の信頼も失ってしまう、悪魔のような趣味に出会ってしまいました。友達との約束があっても、天気や潮回りが良かったら、「ごめん、釣りに行きたいから今度にして!」と、平気ですっぽかしてしまうんです。釣りに夢中になると、人はそういう酷いことをやってしまうんですよ。熱中するあまり、奥さんも子供も放り出して、家庭崩壊した男性の話を聞いたこともあります。
うちの夫は東京で仕事をしているので、仕事がない時に千葉に来る二拠点生活なのですが、一緒に過ごすことよりも釣りを優先してしまうんです。全てを投げ打ってでも釣りに行く私に、夫はあきれていますね。
――原さんにとって、釣りの魅力とは何でしょう。
原 きっかけは、千葉に移住して食べさせてもらった釣りたての魚がすごく美味しかったことなんです。「食べたい」という気持ちから、自分で料理するために釣りをスタートしました。捌き方を覚えて、自分でお造りを作ったりしています。
どうやって釣るのか戦略を考えるのが面白いですね。戦略がハマった時の、アドレナリンがドバドバ出る感じがたまらないです。
それに、若い頃から男の人に混じって競争するのが好きなんです。生意気な性格なので、ゲームでも何でも、男性に勝つことが爽快で(笑)。周りの人が釣れていない時に自分だけ当たりがきたら、「やったー!」と派手に喜んでしまいます。
2025.02.14(金)
文=都田ミツコ