LDHでの苦労があったからこそ成長できた

──2025年はグループ結成から11年、THE RAMPAGEデビューから8年です。これまでをふり返ってどんな10年でしたか?

吉野 この仕事をしていなかったら、もっと言うと、LDHに入っていなかったら、歌やダンス、アーティストとしての在り方はもちろん、人間としてここまで成長できていなかったと思います。これまで本当に大変だったんですが、その大変だったことがすべていまの自分を作ってくれたと感謝しています。

 芝居もパフォーマンスも、技術以上に、人としての魅力が大事だということを教えてくれたのも、LDHの先輩や仲間たちでした。つらい経験や大変な思いをしているからこそ伝えられる表現もあるし、苦労したからこそ得られるものも大きい。だから、本当に苦労してよかったといまは思っています。

──目標とされる方や憧れの方はいらっしゃいますか?

吉野 昔はいましたが、いまは特定の誰かを思い描くことはしていません。WBC第5回大会の決勝戦前に大谷翔平選手が「憧れるのをやめましょう」と発言して話題になりましたが、憧れてもその人に自分がなれるわけではありませんし、憧れていたらその人を乗り越えることはできません。だから、自分の道を自分で切り拓き、自分らしくいられる人でありたいと思っています。

最近ハマったカメラ、「奥が深いんですよね」

──仕事や趣味での目標はありますか?

吉野 最近カメラを始めました。もともとスマホで写真を撮るのが好きだったんですけど、単純に「いいカメラで撮ったらもっといい写真が撮れるんじゃないか」と考え、軽い気持ちで一眼レフを買ったんです。

 でもカメラって、奥が深いんですよね。100枚撮って5枚納得できる写真が撮れたらいい、くらい毎回いい写真が撮れず、苦労しているのですが、いま2台目を考えていまして……。「ライカ先生」なんですけど、ライカはさらに難しいと聞きますし、値段も高いんですけど、あの質感がいいなと思って、狙っています。

──アーティスト、表現者としてさらに成長されそうで楽しみです。

吉野 ありがとうございます。実は2025年の自分に対しては、自分でも、わくわくしているんです。今年はきっと僕にとってすごい年になるんじゃないかと勝手に想像しているので、表現者としてもっと成長できるよう磨いていきたいです。

 昔から理想が高く、その高い理想に自分が挑戦していることにわくわくするタイプなので、今年の僕にはどうぞ期待してください。

撮影 佐藤亘/文藝春秋
ヘアメイク 大木利保(CONTINUE)
スタイリスト 吉田ケイスケ

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『遺書、公開。』 
2025年1月31日(金)全国公開 

監督:英勉/脚本:鈴木おさむ/出演:吉野北人、宮世琉弥、志田彩良、松井奏(IMP.)、髙石あかり、堀未央奈、忍成修吾/原作:陽 東太郎「遺書、公開。」(ガンガンコミックスJOKER/スクウェア・エニックス刊)/企画製作:HI-AX/製作プロダクション:ダブ/2025年/日本/配給:松竹/©2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©陽東太郎/SQUARE ENIX

2025.02.11(火)
文=相澤洋美