故郷の風景に重なる、海のある町に暮らす幸せ
![海の風を感じながら、故郷を想う。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/d/a/1280wm/img_dab202525d685dbb71a654b1b002caba6407512.jpg)
みなとみらいや横浜中華街、ベイサイドエリアに広がる横浜らしい風景もまた、アサバさんにとってはかけがえのない日常だ。
「最寄り駅から10分ほど電車に乗るだけで、日本大通り駅から広がる都会的で洗練された街並みに身を置くことができます。そして、そこから少し歩けば、私の大好きな海のある風景が広がっている。
私は富山県出身ということもあって、定期的に海を見に行きたくなるのですが、ふと思い立った時に気軽に行ける距離に海があることが、心の支えにもなっています。以前はランニングが趣味で、自宅から走って山下埠頭までよく来ていました。今は山下公園から臨港パークまで、港からの風を感じながら、綺麗に舗装されたベイサイドエリアの海沿いの道を1時間ほどかけて散歩するのが私の大切な時間です。
そういえば以前、こちらに遊びに来た両親に、横浜から出港する富山行きの船のチケットをプレゼントしたことがあるんです。そうしたら、両親が船旅にハマってしまって。今では二人でいろいろな場所を船で旅しているみたいです」
![横浜市の歴史的建造物に認定された建物を保存・復元した「北仲ブリック」と「北仲ホワイト」からなる「北仲ブリック&ホワイト」。歴史や文化と都会的な街並みが共存する横浜を歩いていると時代旅行をしているかのような気分に。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/8/1280wm/img_188c32978418e329b2c68918258d08197190534.jpg)
横浜市には、歴史ある建造物を活かした商業施設が複数ある。横浜らしさを生み出している新旧の建物が共存する街並みもまた、ここに住む理由のひとつなのだそう。
「ベイサイドエリアには洋服などを買いに来ることが多いのですが、街並みに合うようにオシャレして出かけるので、それもいい気分転換になっています。
先ほど立ち寄った『北仲ブリック&ホワイト』もそうですし、横浜・大さん橋へと向かう日本大通りには歴史的建造物を保存・復元した建物が立ち並んでいて、お店を覗きながらてくてくと歩いているだけでたくさんの刺激をもらえます。
横浜市の暮らしが心地いいのは、穏やかな日常と文化的な刺激の調和がとれているからなのかもしれません。いくら日々が快適でも単調な暮らしが続くようでは退屈に感じてしまうと思うんです。でも、よく目を凝らしたり、少し足を延ばしたりすれば、非日常の空間が広がっていて、それだけで刺激をもらえる。その環境が、自分の中でとてもバランスがいいんだと思います」
北仲ブリック&ホワイト
所在地 神奈川県横浜市中区北仲通5丁目57-2
美術館など知的好奇心を満たすスポットもたくさん
![2024年にリニューアルした横浜美術館。建築家・丹下健三が手がけた建物の、その佇まいは圧巻。2025年2月には全館オープンとなり「おかえり、ヨコハマ」展が開催される。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/1/1280wm/img_512363dcf884c1044893a6695b09ec984744312.jpg)
![作品を鑑賞するアサバさん。ギャラリー9展示風景 スタニスラフ・リベンスキー/ヤロスラヴァ・ブリフトヴァ 《アーチ雲》1991年 横浜美術館蔵](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/7/1280wm/img_f7210fdc38b4be49ee882b985a1550ad3780143.jpg)
横浜はアートの街。パブリックアートが至るところにあり、みなとみらいエリア全体で60点を超える作品が街を彩り、街歩きをより楽しいものにしてくれている(横浜みなとみらい21パブリックアートマップhttps://www.ymm21.jp/database/detail/post-142.html)。
「仕事柄、アートに触れる機会は大切にしたいですし、純粋に絵やアート作品を見て回る時間が好き。旅先でも必ず美術館に立ち寄るのですが、身近に横浜美術館のような格式ある美術館があるのはうれしいです。いよいよ全館オープンをするとのことなので、これからどんな展示がされていくのか気になりますね。
街歩きの途中で、横浜美術館のフリーで入れる『じゆうエリア』を覗くだけでも楽しいですし、常設のパブリックアートも多い。現代アートの国際展『横浜トリエンナーレ』(https://www.yokohamatriennale.jp/)の時期には駅や街中、さまざまな場所にアートが展示され、横浜全体がミュージアムのようになるんです。
アート以外にも、横浜スタジアムで野球を観戦したり、映画館も充実、音楽が好きな人にはライブ会場もたくさんある。大人の知的好奇心を満たすのに、これほどいい環境はないと思います」
週末は夜景を眺めながらデート気分でディナーを
![食べることもお酒も大好きというアサバさん。横浜の新たなグルメアドレスを探し、夫婦で出かけるのも楽しみのひとつ。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/f/1280wm/img_4ffde42e09ab402a4e63919725240f3f8500943.jpg)
週末の夜には、夫婦でドレスアップしてベイサイドエリアへ出かけ、食事を楽しむことも。この日訪れたのは、横浜ハンマーヘッドにある「Del Mar COMEDOR Y TERRAZA」。スペインのクラシックメニューを現代風にブラッシュアップした料理が人気で、異国情緒感じる横浜を象徴するお店だ。
![「Del Mar COMEDOR Y TERRAZA」の料理。写真中央「小ヤリイカのイカ墨フィデウア」(小・3,190円)。写真右上から反時計回りに「ピンチョス盛り合わせ 3P」(1,320円)※2人前、「ズワイガニのパエージャ」(小・3,850円)、「真ダコのガリシア風」(小・1,815円)、「イベリコ豚の生ハム盛り合わせ」(小・1,870円)、「ムルシア風サラダ 」(1,485円)。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/9/1280wm/img_79f1dc9561213d5a4b013810c619b1368390235.jpg)
![横浜といえばクラフトビール。「Del Mar COMEDOR Y TERRAZA」ではクラフトビールも生ビールでいただける。近年人気のクラフトジンも。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/1/1280wm/img_01d6b53ffb23f199c28b6e8e3aca74d89360846.jpg)
お店のテラスからは、2024年の日本新三大夜景にも選ばれた横浜市の夜景を眺めることができる。都会の中心部で美しい夜景が見れるのも横浜ならではだ。
「私にとって、横浜の夜景はご褒美です。大きな仕事の区切りがついた時には必ず夜景を見に来て、『私、頑張ってるな』って自分を褒めます(笑)。
夫婦で食事をする時も、店内の美しい装飾と夜景、目の前には大好きな海というシチュエーションで、どこかへ旅行に来たような気分が味わえます」
Del Mar COMEDOR Y TERRAZA
所在地 神奈川県横浜市中区新港2丁目14-1 横浜ハンマーヘッド 2F
![首都圏では史上初となる日本新三大夜景に選出された横浜市。アサバさんがご褒美と表現するのも頷ける。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/8/d/1280wm/img_8d02c727acc585c028000cf7de039edf4080401.jpg)
![桜木町と新港地区をつなぐ「ヨコハマエアキャビン」。夕食後は夜景を上空から眺めながら帰るというのも贅沢。写真提供:泉陽興業株式会社](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/8/1280wm/img_c8ff0df92d25f2bc8692b42c8ec12a116510524.jpg)
![2月9日まで開催されていたイルミネーション「ヨコハマミライト」。2018年から冬に毎年開催されていて、グランモール公園を中心に全長1.5kmにも及ぶイルミネーションが横浜の街を彩る。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/4/1280wm/img_c43f5e15cf89a7ff98cb3aecff8e1fbb10830369.jpg)
おいしい食事を堪能した後は、横浜の夜景に包まれながら家路へ。この日は、横浜の冬の風物詩にもなっているイルミネーション「ヨコハマミライト」が街を華やかに彩っていた。
「横浜は、海と空が広くて、落ち着いた華やかさの中、お店を出てからもディナーの余韻に浸ることができるのがまたいいんです。一年を通じて、アートイベントや音楽イベント、そしてこうしたイルミネーションなど、さまざまな催しが行われているので、ちょっとしたお買い物や食事の際に、こうして晴れやかなイベントに思いもよらずふれることができるのも新鮮だし、ワクワクします。これも横浜ならではですよね」
横浜市は、穏やかな日常も、特別な休日も、夫婦の大切な時間ももたらしてくれる特別な場所。
アサバさんが、いつでも自分らしく、心地よくいられるのは、その日の自分が望む過ごし方をこの街がかなえてくれるから。ここから離れる理由が見つからないというアサバさんの横浜ライフはこれからも続いていく。
横浜移住サイト~だから横浜で暮らしたい~
https://iju-sumu.city.yokohama.lg.jp/lp-2/
アサバマリエ(アサバ・マリエ)
富山県富山市出身、神奈川県横浜市在住。多摩美術大学絵画学科油画専攻 卒業。グラフィックデザイナーとしてデザイン会社で勤務した後、イラストレーターとして独立。繊細な表現と大胆な構図で子どもや動植物などを描く。趣味は国内外への旅行、ワイン、野生動物の観察、スポーツ観戦。2022年 第40回ザ・チョイス『年度賞』 受賞、2023年 第18回TIS公募『大賞』、『イラストレーション編集部賞』 受賞。『よむよむかたる』(著 朝倉 かすみ/文藝春秋)、『臨床のスピカ』(著 前川ほまれ/U-NEXT)、『枕草子』(上下巻)(著酒井順子/河出文庫)などの装画を手がける。
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2025.02.14(金)
文=今富夕起
写真=佐藤 亘、平松市聖(個展写真)