日本の最上質を集めるディナーイベント。次は富山!

 「パレスホテル東京」が、2022年から取り組んでいる「Essence of Japan」。日本各地の“最上質”をテーマに、ディナーイベントを行っている。

 第4弾の北陸シリーズは、福井県、石川県に続いて富山県。特に食にまつわるトピックに注目が集まる県だけに、その内容が楽しみだ。

 今回タッグを組むのは、富山県南砺市利賀村で、近隣の食材を使うだけでなく、インテリアや器も県内の作家の作品を集め、富山のエッセンスが凝縮されたレストラン「Cuisine regionale L’evo(キュイジーヌ・レジョナル・レヴォ、以下、レヴォ)」。

 一夜限りのイベントのために、多くのスタッフと食材を携えて上京する谷口シェフ。担当するのは冷前菜と肉料理。魚料理とデザートは、パレスホテル東京の齊藤正敏総料理長が腕を振るう。また、温前菜はひと品ずつ、各シェフが担当する。

 コースの始まりを飾るアミューズ ブーシュはふたりの共作だ。コースからおすすめの料理をご紹介しよう。

 アミューズ ブーシュは、「レヴォ」から、「仔熊とモクズ蟹の包み焼き」(写真手前)、「山羊のチーズを練り込んだグジェール」(手前左)、「熊の手と鹿の血で作ったクロケット」(奥)。熊や鹿は「レヴォ」から仕入れたジビエを使い、クロケットはブーダンノワール風に。山椒の枝をスティックに食べるので、ふわりと爽やかな余韻が漂う。また、グジェールの山羊のチーズは黒部のもの。富山の銘酒「満寿泉」の酒粕が使われている。

 アペリティフは、富山県岩瀬エリアで揚がった水ダコ。ほんのりと炭の香りを纏わせた水ダコは、ごく薄くスライスした腕肉と吸盤が主役だ。自家製キャビアはチョウザメを丸ごと仕入れ、魚卵の味わいを楽しめる塩加減で漬けている。中央にはやさしい歯ごたえの錦糸瓜が。

2024.11.29(金)
文=CREA編集部