多少気になったのは(繁華街のApple Storeではいつものことですが)客の人数が多いせいで、店内でなかなかスタッフを捕まえられないことです。客の人数が少ない時は、店内を巡回しているスタッフのほうから声を掛けてくれるのですが、混んでいる時はそうもいきません。自分から声をかけるのが苦手で、返却までの時間がかかっても構わないようであれば、店頭持ち込みではなく配送修理を検討したほうがいいかもしれません。

 さて、バッテリー交換の効果はどのくらいあるでしょうか。6時間にわたって動画をストリーミング再生するという実験をしてみたところ、交換前はバッテリーが20%台にまで減っていたのが、交換後は6時間経過後も60%台をキープするなど、劇的な改善が見られました。新品と交換しているので当然と言えば当然なのですが、この1年ほど、みるみる減っていくバッテリーに慣れてしまっていたので、少々感動モノです。

 

 交換にまつわる体験記は以上ですが、ではこうしたバッテリーの新品交換が、費用対効果という点で優秀か否かについて考えていきましょう。

 今回は、交換費用は筆者は自腹で支払いましたが、AppleCare+に加入していて、なおかつバッテリー残量が80%未満となった場合は、無償交換の対象となりますので、やらない手はないでしょう。交換にかかるコストと言えば、実際にApple Storeに足を運んだり、発送の手続きをする手間と時間のみです。

 では今回の筆者のように、有償の場合はどうでしょうか。この場合、該当のスマホを今後どれだけ長く使い続けるかで判断するのがよさそうです。

2年程度はスマホを買い替えないという前提が大事

 筆者の場合、該当のiPhoneを入手してから今回のバッテリー交換までに約2年間使用しており、また今後2年程度は、このiPhoneを引き続き使う予定でいます。いま交換したバッテリーが次に劣化するのはおそらく手放すタイミングのはずで、折り返し地点でのリフレッシュとしては、この14,500円という額は、24カ月で割ったとしても600円ちょっとということで、決して高くありません。むしろ安すぎるのではないかと感じるほどです。

2024.11.18(月)
文=山口真弘